地毛証明書というものが、東京都立高校の六割で実施、発行されているそうです。
生まれつき髪が黒色でなかったり、天然パーマだったりする生徒を、自発的に髪をいじっていると誤解しないための方策なんだとか。
身だしなみなどの生活指導をしっかりしている学校であるということを、周囲に示していかないと、都立高校を志望する生徒が減ってしまい、私立高校に勝てなくなってしまうから、そこを頑張らなくちゃいけないという事情もあるのだそうです。
そして、そういう証明書を交付された生徒に対しても、進学や就職のときには、黒く染めるように指導する学校もあるのだとか。
高校の事情も、いろいろあるのだろうなとは察しますけれども……
生まれつき髪の色が黒くなくて、天然パーマである子どもからすれば、
「証明書がなければ、指導が必要な問題を持った生徒であると自動的に判断される」
ということになります。
髪の毛が「周囲と違う」というだけで、偏見の目にさらされる現実があるということを、学校がお墨付きで教えてくれるわけです。
𠮟る必要のない生徒を、余計なトラブルに巻き込まないためだというのは、分かりますけども、なんとも釈然としない制度ではあります。
どう考えても、世の中のほうがちょっとおかしいのに、とても太刀打ちできない無力感があります。
見た目での偏見っていうのは、どうしようもなく根深いものなんだろうなと。
まあ私も、幼稚園児や小学生が金髪に染めていたら、「うーん」と思うところはあります。これは偏見なのか、良識的な反応なのか……とりあえず、子どもの髪を染めている親御さんの様子を見てから、いろいろ判断するべきではあるでしょう。
ああそうか。
地毛証明書という制度には、この、相手を見る、生徒本人を見るというプロセスが、感じられないから、釈然としないんですね。
現実にこれを運用している学校の先生がたが、どのように対応なさっているのか直接知らないので、批判の言葉は控えますが、見た目だけで、烙印のようなものを押す言動をしないでくださることを、願うばかりです。一方的な無理解で、貼りか知れないほど傷ついてしまう子どももいますから。
(__).。oO
髪を染めることに、ずいぶん寛容な時代になったと思っていたんですけど、学校は、40年前から、あんまり変わっていないのかなと感じます。
私(おかーさん)が子どものころは、大人でも髪を茶色などに染める女性が少なかったですから、制服を着た中・高校生が茶髪や金髪、リーゼントなんかにしていれば、ものすごく目立ちましたし、その見た目だけで、即「不良」のラベルを貼られるのが普通でした。
実際、そういう風に見られる覚悟で染めたりパーマをかけたりする人がほとんどだったと思います。
いまでは、PTAの集まりに出れば、お母さんたちの半数以上が、茶系に染めています。もちろん、ヤンキー上がりじゃない人が、大半だと思われます。
私(おかーさん)は、いまだに染髪が苦手で、しかも増えてきた白髪が結構気に入っていたりするものですから、ずっと半白髪のまま暮らしていますけど、そういう中高年女性は、近隣ではかなり少数派だと思います。
いっそ、全部脱色して、真っ白にしたいんですけどねえ……。
いや、クルエラさんみたいに、半分こでもかっこいいかな。
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