2003年12月13日土曜日

さんたの霊?







 あねぞうさんの、幼稚園の教室の窓に、上のような物体が大量にはりつけられていた。



 
 顔と帽子は画用紙、服はセロファンで出来ている。つまり、下半身が、へにゃ~っとしている。
 サンタクロースらしいのだが、どうみても、サンタの扮装をした幽霊である。




※あだきち君…4歳  自閉傾向のある、重度広汎性発達障害 
※あねぞうさん…6歳  


2003年12月12日金曜日

友人紹介





 あねぞうさんのおちゃらけ仲間のM君が、A君の話をおしえてくれた。

 A君は、おゆうぎをしない。うたをうたわない。ゲームや遊びに、加わらない。なにもしない。
 運動会でも、すべての競技で見学に回ってるのを、私は見ていた。

「A君はね、いつも、こうなっちゃうんだ」

 と、とてもやさしい顔をしながら、M君はいった。

 クリスマスのお芝居がはじまると、A君は帽子のゴムを噛みはじめた。噛みながら、舞台のはじっこで、なんとなくみんなの様子をながめていた。

 家にかえってから、あねぞうさんに、A君のことを聞いてみた。

「よくわかんない。でも、言葉はわかるみたいだよ。あだきち君とは、ちょっとちがうかも」

 とのことだった。A君とも、うんとなかよくしてねと、あねぞうさんに言ったら、あねぞうさんはうなずいたけど、なんとなく曖昧な顔をしていた。そして、

「あのね、じつはね、言葉しゃべれないような気がするおともだちが、もう一人いるんだ」

 といった。誰なの、と聞くと、あねぞうさんはちょっと間をおいてから、

「Cちゃん」

 と答えた。Cちゃんは、幼稚園のクラスのなかで、たった一人だけあねぞうさん親しくなれた女の子のともだちなのだと、前からあねぞうさんに聞いていた。じゃあCちゃんとお話したことないの、と聞くと、あねぞうさんは、

「話すみたいなんだけど、よくわかんないのよ」

 という。会話になっていないらしい。

「でも、折り紙とかいっぱいして、あそぶんだよ」

 たしかに折り紙に、言葉はいらない。

 A君は、自分からはなんにもしないから、あねぞうさんとしても、接点をみつけるのがむずかしいのだろう。
 
 クリスマス会のあいだに、私は、A君の好きなものをいくつか見つけた。
 お人形と、お話だ。
 あねぞうさんにも、教えてやろう。



(※13年後の補注……A君は、見上げるほど背の高い、立派な青年になりました。元気に働いているそうです)





家族紹介

 

 クリスマス会の最中、あねぞうさんのプロレス仲間のM君が、私のところにやってきて、あだきち君を指差しながら、


「ねえ、この子、男の子? 女の子?」

 
 と聞くから、男の子だよ、と教えると、


「じゃあ、この子、あねぞうちゃんの弟なんだね。あねぞうちゃんのおとうさんは、今日はどうしてるの?」


 と聞く。お仕事に行ってるよ、というと、


「ぼくには、お兄ちゃんがいるよ。小学生なんだ。ぼくは弟。ぼくのおとうさんはね・・・・・家で寝てる」



 と言った。おしまいのほうは、なんだか小声で、うつむいていた。


 M君の家族紹介は、いつもこんな感じである。




2003年12月11日木曜日

あだきち君の歯科手術は全身麻酔





 あだきち君、生まれてはじめて、手術をした。

 虫歯の治療なのだけど、通常のやり方では窒息などの危険があるため、全身麻酔で呼吸も止めた状態で行うのである。


 手術室につれていかれて猛烈に怒り、そのまま麻酔で昏倒。

 三時間後、手術が終わって麻酔からさめたとたん、おんなじ調子で猛烈に怒りはじめた。

 あだきち君としては、途切れることなく怒っていたつもりなのだろう。

 自分の知らないうちに、足の甲に点滴の針が刺さっているのを見つけて驚愕し、こんなヤバい場所に長居は無用とばかりに、ふらつくのもかまわずに立ちあがって着替えを済まし、針にかまわず靴を履いて、とっとと家に帰ろうとした。乱暴なやつである。


 あだきち君には災難なことだったが、無事に済んで、親のほうは一安心である。




2003年12月9日火曜日

雪とあだきち君



 大雪である(非雪国の基準)。

 交通手段がおぼつかないので、あねぞうさんも、外出を控えて家にいる。

 玄関前に溜まっていた雪をバケツに入れて居間に持ち込んでやったら、あねぞうさんがさっそくいじりはじめた。できあがったのは、身長5センチの、雪だるま。

 あだきち君は、「ゆきー」と口にしたものの、手をだそうとはしなかった。

 そのかわり、舌を出して、ぺろっとなめ、きゃっといって逃げていった。つめたくてびっくりしたらしい。







※あだきち君…4歳  重度広汎性発達障害

2003年12月7日日曜日

おかーさん不調



 あねぞうさんは元気、あだきち君も、すこぶる元気。おとーさんはくたびれてはいるが、まずまず元気。

 おかーさんだけ病気。

 ゆうべ、あねぞうさんとトランプをやっていたら、上半身がどーんと重くなって、起きていられなくなった。しかたなく、寝たままトランプをつづけたが、だんだん腕があがらなくなってきたので、あねぞうさんに勝ち逃げされたところで終わってしまった。

 一晩寝て、ちょっと軽くなったけれど、こうしてパソコンの前に座っていると、ずぶずぶと沈みはじめていくのが分る。やばいなーと思っていたら、あねぞうさんがやってきて、私の椅子のしたにもぐりこみ、なぜか足で椅子を支えはじめた。


 冬休みにはいるまで、かなり忙しい。たしかに沈んでいるヒマはない。

 
(あだきち君…4歳  あねぞうさん…6歳)

2003年12月4日木曜日

碁石(あだきち君…4歳   あねぞうさん…6歳)


 あだきち君が、立ったまま椅子に片足をひっかけて、実にきみょーな格好で静止しているので、なんだろうと思って近づいてみたら、「大」の気配が漂ってきた。

「ちょっと、でてるじゃないのよ! 教えなさいってば」

 と私がというと、

「でたー」

 と事後報告して、ニヤニヤしている。

 出たもんはしょーがないので、その場で全部ぬがせて、お始末にとりかかると、「大」のなかに、なにやら「大」以外のものが見えている。なんだろうと思って、そばにいたあねぞうさんと二人で、まじまじと観察した。直径1センチ弱の、黒くて、平べったくて、丸い物体。

「碁石じゃない、これ」
「うーむ。碁石だわ」

 おとーさん愛用の、ポータブル碁盤専用の、碁石であった。

 今日は午後から、お腹のレントゲンを撮る予定だった。碁石が出ないまま撮影していたら、怪しい影があるというので騒ぎになっていたかもしれない。

 偏食のくせに、石とか砂とか、紙切れとかボールペンのキャップとかは、平気で食べるのはなぜなのだろう。うまいのか?

 出た碁石は、いちおう消毒して保管してあるのだが、このまま碁笥に戻そうかどうしようか、迷っている。


(あだきち君…4歳   あねぞうさん…6歳)

2003年12月1日月曜日

バジャマ…ものへのこだわり(あだきち君…5歳)




 あだきち君は、私のパジャマが好きである。あるいは、パジャマを着ている私が好きである。

 あだきち君を産むときに新調した、あずき色の授乳用パジャマがとくに好きで、昼間でも私にそれを来てくれとせがむ。羽織るだけでなく、ちゃんとボタンもかけなければいけないらしい。

 私が着てやらないと、パジャマを両手で抱えてほっぺたに押しつけたりしている。

そんなに好きならアンタも着てみなさいよと言って、あだきち君にパジャマをかぶせようとしたら、恥かしがって逃げていった。照れるほどのことなのか。


(あだきち君…5歳)


(過去日記を採録…2016年8月18日)