あねぞうさん画「いつものあだきち君」 |
年間通して、そのスタイル。寒くても暑くても、同じです。
たぶん、体にたくさん衣類が触れていると、リラックスできないのでしょう。
幼少期の知覚過敏の名残だろうと思います。
けれども外出中に脱いでしまうことはありません。そのあたりは、しっかり弁えているあだきち君です。
■保護者会のためにショートステイ
明日は、ほげ子さんの中学校の保護者会があります。
午後二時半頃からはじまり、数時間かかるとのこと。
あだきち君が、施設のバスに乗って、最寄りのバス停に到着するのは、四時半過ぎくらい。中学校からの移動時間もありますし、到底間に合いそうにありません。もちろんあだきち君がバスを降りて一人で帰宅するのも、絶対無理。
むむーんと、考え込みました。
年度初めだったので、保護者会の日程をもらったのが、入学式のあとでした。
先月から分かっていれば、福祉サービスの予約を事前に入れるなどして、スムーズに対処できていたのですが、直前ですので、簡単にはいきません。
あねぞうさんや、ほげ子さんの小学校時代にも、こういうことはありました。
あだきち君が小さかったころは、PTAの理事会などにも同伴していましたけれども、さすがにいまは、それは難しいです。
あだきち君を慣れない場所につれていって、もしもパニックを起こしたら、保護者会はぶちこわしになります。慣れるまで繰り返しつれて行けばいいのかもしれませんが、中学校側にかける負担と、私自身の心労の度合いを考えると、「ご理解ください」「やらせてください」という勇気はありません。(ヘタレなおかーさんです。すみません…)
ほげ子さんの保護者会では、もっぱら担任の先生に断って中座し、あだきち君を迎えに行っていました。後日、担任の先生に個別に時間をとっていただいて、お話を聞いたりしたこともありました。
子どもたち三人合計して、十数年間お世話になった学校でしたから、我が家の事情はだいたい理解していただいていましたし、安心でした。
でも今回は、中学に入学して最初の保護者会ですから、どうしても、ちゃんと出ておきたいのです。学校の様子をしっかり知っておきたいですし、他の保護者の方々とお話もしてみたいと思っています。
それで、いつも行動援護サービスをお願いしている福祉事務所に相談しようかとも思いましたが、予定が変われば、ヘルパーさんやドライバーさんの手配から、やり直すことになるはずで、変更の日が迫った状況では、それも大変なはず。ここのところ、何度か続けて予定の変更をお願いしていたこともあり、今回もまたとなると、申し訳ないなと思いました。
そこで、ダメ元と思って、通所している介護施設に、「保護者会の当日、できれば五時半ぐらいまで、預かっていただけないか」と相談をしてみました。
すると、「そういうことだったら、その日をショートステイにしては」と、ご提案をいただきました。
あだきち君は、通常、月三回、一泊二日のショートステイを入れてもらっています。
おかーさん(私)が体調を崩したり、入院などしてしまった場合のことを想定して、短期間、自宅から離れて暮らすことになれるために、昨年から利用させてもらっていたのです。
今回は、いろいろな予定の兼ね合いもあり、明日の保護者会の日を入れて、今日から二泊三日の予定でショートステイすることになりました。これで問題なく、保護者会に参加できます。
いまさらながら、障害者福祉サービスのありがたさを感じています。
こういう支援がなければ、ほげ子さんや、あねぞうさんのために動くことが、とても難しくなっていたはずですから。
■ショートステイの準備
あだきち君にとって、二泊三日のショートステイは、今回が初体験です。
ときどきトイレで失敗してしまうこともある、あだきち君の着替えの量は、二泊となると、かなり膨大なものになります。いつものバッグと風呂敷では、とても入りきらないので、高等部の修学旅行のときに買った、大きなバッグを持たせることにしました。
ズボン五枚、パンツ六枚。その他の衣類もたくさん。
連絡帳と、学習用のノート二冊、筆記用具。
二日分のオヤツと、飲み物。朝ご飯用の牛乳。
外出先によってバッグを使い分けているあだきち君ですので、混乱するかなと思ったのですが、久々に出してきた旅行用の大きなバッグが、パンパンに膨らんでいるのを見て、あだきち君は、「いつもの一泊二日ではないな」と察したようで、さっとバッグを私から受け取って、自分で肩にかけました。
その後、お迎えのバスに乗り込むときには、修学旅行に出かけるときのような、少し緊張した表情になっていました。もしかしたら、これから旅行に行くのだと思ったのかもしれません。いまごろ施設で、「どうして出かけないの?」と、不思議に思っているかもしれません。
二日間、不安にならずに、乗り切ってほしいです。