2017年4月28日金曜日

ゴキブリはハンマーでは殺したくありません


ゴキブリとの戦い方について、外国の方々にインタビューした記事を読みました。


外国人に母国のゴキブリ退治法を聞いた

「ハンマーだと一撃で殺せます」




ゴキブリを見つけると反射的にスリッパを構える人は多いと思いますが、ハンマーを振る人は、日本では、あまりいない気がします。すくなくとも私は使いません。

だって、ゴキブリだけでなく、叩いた壁とか家具も、一撃でやられそうですから。( ̄。 ̄;)

畳の場合は、い草の繊維の間に、ゴキ成分が深く食い込みそうで、気が進みません。

やっぱり、叩くなら、スリッパでしょう。(´・ω・`)

あ、こういうソフトなハンマーだったら、スリッパに準ずるかもしれません。
家具とか壁とか、壊れません。

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ただ、そういう用途に使ったあと、子どもに渡して遊ばせて平気かといわれると、ちょっと考えます。(´・ω・`)


もっとも私には、叩く、という選択肢はありません。虫、叩いて殺せません。
子どものころは、はえ叩きが娯楽だったくらいですが、思春期あたりから、叩けなくなってしまいました。

小さな生き物への慈愛の気持ちだとか命の尊さだとかを感じるようになったから、というわけではありません。

嫌いで気持ち悪い存在だからといって、一方的にたたき潰して命を奪うことに対する、漠然とした疑義、アンフェアな行為に対する嫌悪感、というのでしょうか。まあ、子どもですので、しちめんどくさいことを、ぐるぐる考えたんでしょう。

んで、もう少し大きくなってから、自分の平和で衛生的な生活を犠牲にして虫の命を優先しつづける覚悟もないのに、目の前のゴキ一匹殺せないというのは、ただの偽善だとか何とか、これまたしちめんどくさいことを考えて、自力で殺す勇気を持とうと思い立ちました。

しかしたたきつぶすのは、ハードルが高かったので、殺虫剤に逃げました。

というわけで、イメージ訓練を重ねた結果、成人後には、シューッと殺処理できるだけの、精神的強度を手に入れました。

そして、大学院の学生だったころ、韓国人留学生の友人の自宅に招かれたときに、いよいよ実戦の機会がやってきました。

友人が作ってくれた、すばらしく激辛の、おいしい冷麺をいただいた後、おしゃべりしながらくつろいでいるところに、小さな楕円の黒いものが、食卓の上の蛍光灯にとまって、じっと下をうかがっているのを見つけました。

友人は2歳年上の女性でしたが、超弩級の虫嫌いでした。しかも、殺せない人でした。

「あ、ゴキブリがいる」
「え、ゴキブリって……いやああああああああああああああはああああああああひゃああああああああああ」

見事な声量のソプラノで絶叫する友人は、目にもとまらぬ早さで食卓から離れましたが、すぐに壁に突き当たり、停止せざるを得ませんでした。

私もゴキブリは少なからず苦手でしたが、あまりも動揺している人がそばにいると、自分は冷静になってしまうものです。

「殺虫剤、あります?」
「ない! 隣の家の旦那さん、呼んでくるうああああああああああああああっああああああああああ!」
「隣の旦那さんって、知ってる人?」
「一度だけ挨拶したかもしれない!ああああああああああああああああ
「いや平日だし、いないんじゃないかな。まあなんとかしましょう。殺虫剤買ってくるから、待っててください」
いやああああああああああ!一緒にいく!」

というわけで、二人で殺虫剤を買い込んで帰って来てから、しゅーっとやって退治し、捨てました。

あれから三十年。
その友人は、いまでは大学教授になっています。
少し前に、来日していたのですが、私は更年期障害が最高潮につらかつた時で、連絡をもらっても、返信もできないままでいたら、もう帰国してしまっていました。(御免なさい、不義理な友人ですorz)

ゴキブリの記事を見て、彼女のことを思い出したので、ふとネット検索してみたら、三十年前とほとんと変わらない、素敵な笑顔の写真が出てきました。

いまも、ゴキブリ、嫌いかな。
嫌いだろうな。

いろいろと不穏な報道も多いですが、どうか平和であってくださいと、願うばかりです。
ゴキブリも、あまり、出ませんように・・・。