2016年7月23日土曜日

マイケル・J・フォックス、コールドプレイと共演/あだきち君の小さいころの思い出

ツイッターに、こんなニュースが流れてきました。


マイケル・J・フォックスがコールドプレイのライブに飛び入り参加!
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の名シーンを再現


http://www.tvgroove.com/news/article/ctg/5/nid/29438.html


マイケル・J・フォックスが、自閉症の子にも愛される、コールドプレイのメンバーと共演して、映画の名シーンと同じ曲を演奏しています。

動画(その後非公開になったようです…)を見て、いろいろな記憶がわき上がり、感無量でした




子供たちが、まだ小さいころ、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が大好きで、ビデオを何度も見ていました。マイケル・J・フォックス、自分と同世代の、いい俳優さんだなあと思っていました。

ところが、なかなか新しい出演作が出なくなって、どうしたのかと思っていたら、自叙伝が出版され、パーキンソン病と闘っていたことが分かりました。



マイケル・J・フォックス「ラッキーマン」



出版されたのは、2003年。
あだきち君が、jまだ小学校に入る前だったはず。

すぐに買って、読みました。

以下は、当時書いた読書メモ。
文章がだいぶ堅苦しいのは、大目に見てください。orz


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2003/1/31

マイケル・J・フォックス「ラッキーマン」(ソフトバンクパブリッシング株式会社)を読み終えた。

 感想がすらりと口から出るような作品ではない。難病を持つものとして、あるいは難病を抱える家族とともに暮らすものとして、この本によって示される真実は、計り知れないほど重く、貴重である。

 才能ある俳優である著者が、職業的成功の絶頂に近いところに達したとき、著者の内側に潜んでいたパーキンソン病は、徐々に姿をあらわし始めた。不治の病は、普通に受けとめれば絶望的なものである。

けれどもパーキンソン病は、皮肉という形で著者の人生を裏返しにし、欠落や欺瞞を暴き立て、晴れやかできらびやかな多くのものを奪い去り、結果的に著者が本来持っていた、真に豊かに生きるという才能を、見事に成熟させた。
 
 マイケル・J・フォックスという人の魅力と才能と幸運が、悲惨な脳・神経の病気を、理不尽な人生の桎梏ではない、もっとかけがえのない何かに変えていく過程は、奇跡のようである。すべての難病患者がこのような過程を経験できるわけではないとしても(「まった」なしで終わりが訪れるような病気もあるのだから…)、この本は、書かれてほんとうによかったと思う。

 かつて、映画「レインマン」が公開されたとき、自閉症という、深刻な知的障害に対する理解が、アメリカ全土で十年分進んだ、と言われたそうである。さらに、映画で主役を演じたダスティン・ホフマンが注意欠陥障害であり、トム・クルーズが読字障害であるということをカミングアウトするに及んで、それぞれの障害の認知度は飛躍的に高まったはずである。映画や、それに関わる人々の影響力は、ほんとうに大きなものであると痛感する。

 マイケル・J・フォックス自身も、「ラッキーマン」のなかで、注意欠陥多動性障害という用語は使わないにしても、そう診断されても不思議はないような幼少期のありさまであったことを書いている。

 なにしろ、あまりの落ち着きのなさのため、リタリンの使用を勧められたこともあったというのだから。

 また、彼の低身長について、パーキンソン病の問題と結びつける記述はなかったけれど、私は少し気になった。低身長も脳の異常に由来する問題である。成長ホルモンの分泌にかかわる下垂体に異常はみられなかったのだろうか。下垂体には、成長ホルモンだけでなく、脳そのものの発達にかかわるホルモンを分泌する場所があったはずである。それらはどうだったのか。もしも広範囲に軽度な脳の異常を持っているのだとすれば、それは成人後にパーキンソン病が人生の舵取りをしようとして姿をあらわすことと、何らかの関係はなかったのか・・・・・

 そうしたことが全てはっきりするのは、何年後のことなのだろう。

 「ラッキーマン」がアメリカで出版されたことと、マイケル・J・フォックスがパーキンソン病研究に貢献するための財団をつくったことを報じる新聞記事を、私は切り抜いてとっておいてある。パーキンソン病の治癒の可能性は、近未来に実現するだろうといわれているそうである。これは、パーキンソン病の患者だけでなく、類似する、あるいは関連している可能性のある神経難病の患者にとっても、たいへんな朗報である。

 ところが、その記事が出たのと同じ日の、同じ紙面に、アメリカのブッシュ大統領が、パーキンソン病の治癒に関わる研究分野の許可に難色を示している、という記事が掲載されていた。このバカチンのスカタンのちんくしゃの猿顔の・・・・・とさんざんな悪態をつぶやきながら、それも切り抜いておいたものだ。

 前のブッシュ大統領が湾岸戦争で使用した劣化ウラン弾のために、従軍したアメリカ兵の家庭では多くの重度身障児が生まれたという。攻撃された側の国では、さらに多くの難病児が為す術もなく命を落していっただろう。

 いままた、息子のブッシュ大統領が数週間後にイラクに攻め込もうかどうしようか、韓国やグアム島の兵力を増強しようかというニュースが飛び交っている。戦争に使う資金の、ほんの何分の一かでもあれば、どれほど多くの命が未来に希望を持てるようになることか。

 「ラッキーマン」をほぼ読み終わったとき、子供たちといっしょに「バック トゥ ザ フューチャー」の2作目と3作目のビデオを見た。

 2作目の最初のところで、ドクが、「自分の未来など、知らないほうがいい」といって、マーティを諭すシーンがある。

 その後、マーティが未来を浅ましく知ろうとしたことが原因で、彼らの生きる「現在」の世界が凄惨な廃墟になってしまうという展開になる。

 3作目のラストのところでは、やはりドクが「未来は白紙だ。自分の力で作るものだ」ということを晴れやかに宣言し、機関車型タイムマシンでハデに去っていく。

 このシリーズのあらゆる箇所に、主演を演じていた「ラッキーマン」の著者の人生を示唆する部分があるように思えてならないのだが、こじつけにすぎないだろうか。


(引用終わり)
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これを書いた時期は、医学的シロウトの主婦に出来る範囲で、脳に関する情報をひたすらかき集めて、自閉症との関連性を考え続けていました。

パーキンソン病に強い興味を持ったのは、あだきち君が、幼児期に小児科で、自閉症状の改善のために、ドーパミンを増やすための投薬を受けていたからです。

パーキンソン病は、ドーパミンの不足によって起きる病気とされていて、当時、自閉症児の脳内でも、ドーパミンの不足があるのではないかと、言われていたようでした。


(あ、もちろん、パーキンソン病治療の黎明を描いた、オリバー・サックス博士の名著、「レナードの朝」を読み、映画化された作品も見ています。)


その後、自閉症に関してのさまざまな研究が出ましたけれど、私はそれを追いかけ続けるだけの余裕も能力もなく、日々の暮らしに追われながら、あだきち君の成長に寄り添って、いままで過ごしてきました。

けれども、マイケル・J・フォックス氏のことは、ずっと、心にありました。

数年前に、パーキンソン病のコントロールが出来ていない、強い振戦のある状態で、テレビ出演をして、大きな話題になっていました。テレビで見て、想像していたよりずっと元気そうだけれども、やっぱり大変なんだなと思ったのを覚えています。


探してみたら、動画がありました。






このときの様子が頭にありましたから、その後はきっと、少しづつ悪化して、いろいろなことが不自由になっているのではないかなどと、勝手な想像をして、つらくなるのがいやだったものですから、あまり情報を追いかけずにいたのです。


だから、コールドプレイとの共演で、堂々と、いまを楽しんでいる姿を見て、ほんとうに、この方はすごいなと、思ったのでした。



なつかしい、若かりし日の、バック・トゥ・ザ・フューチャーでの演奏の様子。。。






よい年のとりかたを、見せてくださっていますね。


↓ 中古で1円だそうです。Kindle化は、まだのようなので、希望しときました。