2016年6月19日日曜日

学校への思い・卒業アルバム



今朝は、四時半に、あだきち君に起こされました。


「あいさつ、あいさつ!」


と叫んで、かなり不安定な様子でしたが、理由が分かりません。

眠すぎてたまらず、お布団のなかから「おはようー」と声をかけましたが、なかなか気持ちがおさまらないようで、ずっと「あいさつ!」を繰り返しています。

しばらくすると、


「おふろ!」

と叫びだしました。入っていいよーと声をかけても、なかなかお風呂にいかず、何度も「おふろ!」と言います。


こういうとき、あだきち君には、本当に言いたいこと、気になることが、たぶん別にあるのだろうと思います。ただ、言葉ではなかなか伝えることができません。


天気が崩れそうで不安なのか。
どこか体の調子がよくないのか。
悲しい気持ちや、さみしい気持ちを、もてあましてしまっているのか。


分からないまま、様子をうかがっていると、ふいっと、お風呂に行きたようでした。



七時前になったので、さすがに私も起き出して、あだきち君がうろうろしていた居間にいくと、支援学校の卒業アルバムが、床に開いて置かれています。書斎の本棚の、一番上に置いてあったのですが、見つて引っ張り出してきたのでしょう。










卒業してしまった学校のことを、あだきち君は、ほとんど口にしなくなっています。

どんな思いが心のなかにあるのか、家族には計り知れません。

さみしいのか、なつかしいのか……


アルバムを見ていて、「あいさつ!」という言葉が出てきたのだとすれば、やはり学校がなくなった生活が、どこか物足りなく、さみしいのかもしれません。あだきち君にとって、学校は、とにかく挨拶をもとめられる場でしたから。



朝、昇降口に行くと、大勢のクラスメートや後輩たちに、「あだきち、おはよう!」と声をかけられ、肩を叩かれ、先生が他に迎え入れられ、手を引かれて教室に向かう日々………


12年間続いた、かけがえのない学校生活。
その日々をとりもどしてやることは、もうできません。




いまの暮らしが、あだきち君にとって、いつかかけがえのないものとなるように、家族にできることは何なのか、考え込んでいる、とてもねむい日曜の朝です。













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