2016年6月21日火曜日
公共の場での無理解
朝から、がっかりするような記事を読みました。
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障害者は楽しく泳げないのか
私の勤務する施設の知的障害者は月に1度、公営プールを借りて泳いでいる。
日常の事務所での大変な作業を忘れられる貴重なひとときだ。
ところがある日、楽しい時間が一変した。プールの監視員たちが、障害者の行動が邪魔になるとか、泳ぎ方がおかしいとか頻繁に注意する。それもメガホンで周囲の人が振り返るほどの大声である。
ある自閉傾向の男性はたまりかねて耳を押さえ、プールから上がろうとした。自閉症の人は周囲の刺激に過敏になり、パニックになることがあるのだ。
隣のコースで平泳ぎしていたダウン症の男性に対しては「足が伸びきらず、泳ぎが遅くて他のお客さんに迷惑です」。ダウン症による下肢の筋力不足だと訴えるも、聞き入れてはもらえず……。私はなんだか悲しくなった。障害者への理解が進む日が来るように願ってやまない。
(社会福祉士、中村翔さんの投稿……朝日新聞「声」欄) 2016/06/21
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その場の様子は、目に見えるように想像がつきます。
監視員の方々にとっては、施設の方々の行動は、ルールを乱すものであり、管理して正すべきものだったのでしょう。
水場が大好きではしゃいでしまう、あだきち君がこの場にいたなら、音速で追い出されたと思います。もっとも、メガホンの音に気づいた段階で、更衣室から出なかったかもしれませんけども。
まず、相互理解が必要だと思います。
公営プールの管理責任は、自治体でしょうから、そこの責任者と事前に話し合いをして、監視員の方々への理解を得られるように準備しておくことは、できなかったのでしょうか。
施設職員側から自治体に申し入れすることが、やりにくいのであれば、利用者の方々のご家族から、市長さんや区長さんに直接要望を出すことも、やってもいいように思います。
役所のサイトには、市長さん宛てのご意見メールボックスがあるものだと思いますので、そこから、伝えることもできるのではないかと。私は何度かやりました。
よく痛感するところですが、障害者(児)と関わったことのない方々は、驚くほど事情をご存じない場合が多いです。自閉症の人の知覚過敏や、ダウン症の方々の身体的な問題などは、学校や、介護されている場から一歩外に出てしまうと、ほとんど知られていないと思って間違いないと思います。
この投書で、また少し理解が広がり、感情的ないさかい、対立の起こることが少なくなってくれることを祈りつつ、私も引用させていただきました。