おかーさんと勉強するあだきち君 (あねぞうさん画) |
あだきち君には、朝勉強の習慣があります。
漢字の練習、ちょっとした音読、文章の写し書き、計算問題、日記などを、やっています。
時間は、15分ぐらいから、長くても30分くらい。
勉強が、ものすごく好きというのとは、違うのかもしれません。新しいものを覚えるときには、かなりストレスがかかる様子も見えます。勉強のやりかたを、がらりと変えてしまうと、混乱して怒ります。
でも、新しい漢字をや、言葉を覚えるのは、好きみたいです。
漢字や、計算問題など、自分にできることを確認することで、気持ちが落ち着く様子もあります。
学習スピードは、ほんとうにゆっくりです。
一つの漢字、一つの熟語を覚えるのに、何週間もかけています。
けれども、二歳半から療育をはじめて、十七年目に入ったいま、積み重ねてきたものの量は、すごいことになっています。
重度障害であると診断が出て、どんなに繰り返し教えても、身の回りのものの名前を一つも覚えられなかった幼少期、漢字をたくさん読み書きできるようになっている姿なんて、想像もできませんでした。
学校は卒業してしまいましたけれど、あだきち君との勉強は、まだまだ続けていきます。
たくさん覚えた、漢字や言葉を、自分の思うように「使える」ようになることが、これからの目標の一つです。