2016年8月22日月曜日

夏の大腸がん疑惑(2)・台風

前回の大腸がん疑惑関係日記。→ 夏の大腸がん疑惑(8月17日)



窓の外は台風で大雨。

テレビのなかはオリンピックでほぼ一色。と思ったら、今日で終わってた。(´・ω・`)


お昼過ぎ、豪雨のせいで、あだきち君の施設まわりの道路が冠水したので、早めに迎えにきてほしいと連絡がありました。いつも通る道は川になっちゃっていて、警察が通行止めにしていたので、ぐるっと回って施設へ。無事にあだきち君を引き取って帰宅。


台風のせいなのか、あだきち君は少し落ち着かず、めずらしく、ぼげ子さんと喧嘩になっていました。



(__).。oO



じわじわと、内視鏡検査の日が近づいているので、あんまり元気がありません。orz

ネットや本を調べて、腸によさそうなことを、いろいろ組み合わせてやっています。


・生野菜ジュースなどで繊維質を多めにとる
・発酵食品の摂取を増やす
・おなか、あっためる
・いやなニュースを見ないようにする
・無理しない


などなど。


よくよく自己観察してると、連日猛暑なのに、お腹のあたりだけ、ほんとに冷えていることが多いので、しっかりあっためるようにしています。Amazonパントリーで、貼るカイロ買いました。シャツの上から貼ってます。

気のせいかもしれませんけど、お腹あっためてると、なんだか気分も上がって、元気になる気がします。


昨日の夜、Amazonで、この本を見つけました。

山口仲美 著「大学教授がガンになってわかったこと」



Amazonの解説から引用
一度目の大腸ガンは早期発見し手術もうまくいったのだが、四年後に膵臓ガンを発症。現在抗ガン剤治療中の大学教授が、この二度のガン患者経験を踏まえて、病院を選ぶ時、ベッドが空かなくて入院できない時、セカンドオピニオンがほしい時、執刀医の実力を知りたい時、主治医と合わない時、抗ガン剤をやめたくなった時、いじわるな看護師に当たった時、どう考えどう振る舞うべきかをレクチャー。「先生にお任せ」ではなく、自分で決断する「賢いガン患者」になるための手引き書。


何年か前に、大腸がんの治療をされたというお話を人づてに聞いていましたが、膵臓がんもやっておられたとは。

新書ですが、Kindle版もあります。となったら、もう即座に読むしかありません。

読み始めたらやめられなくなり、気がつけば朝の三時過ぎ。

がん二連発という、深刻な内容の本ですけれども、とにかく、おもしろいのです。


「いじわる看護師対処法」の章は、最高でした。

そうそう、いるんです、いじわるな看護師さん。
あねぞうさんの長期入院のときなどに、私もずいぶん遭遇しました。

でも、根っからココロが意地悪で真っ黒な人なんて、滅多にいません。
なんかのきっかけで、気持ちが通じると、関係性は全くかわります。

著者は、患者の痛みや苦痛をつっぱねて拒絶する看護師さんに「スパルタちゃん」と名付けて、ご本人にそれを話してしまいます。「スパルタちゃん」は、患者が自分をどう受け止めているかに気づくと同時に、患者にも自分と対等の人格、気持ちがあることにも気づいたようで、関係が一気に改善しています。

素敵な話だなあと思いました。


2016年8月21日日曜日

あだきち君とKindle Fire……やられた


唐突ですが、私、本を読まないと、死にそうになります。

そんなたいそうな読書家ではありませんが、読もうと思ったときに、手元に本がないと、非常につらいです。中毒レベルといってもいいと思います。

なので、以前は、出かけるときには、バッグに必ず本が数冊入ってました。

いまはiPhoneに電子本をDLして、数十冊持ち歩いてます。

自宅では、もっぱらAmazonの Kindle端末で本を読みます。
視力がかなり悪いので、バックライトのある読書端末でないと、長時間の読書ができません。紙の本は、もうほとんど読まなくなりました。

愛用のKindle  Fire HDは、それなりに重さがあります。
仰向けに寝て読んでいると、ときどき鼻にゴチンと落ちてきて、大変痛いです。
それでもやめられません。





その大切なKindleが、突然、ドイツ語しかしゃべらない人になってしまいました。



ダウンロードしてあったはずの本は影も形もなくなっていて、ネットにもつながりません。Amazonのアカウントも未設定になっているようです。


つまり、完全に初期化されちゃった状態です。(´;ω;`)


ドイツ語しかしゃべらなく(表示されなく)なってしまったKindleは、私の机の上ではなく、あだきち君がねそべっていたあたりで発見されました。

どうやら、私の見ていないときに、あだきち君が勝手にいじって、何かしてしまったようでした。



昨晩、あだきち君がKindleで「野武士のグルメ 増量新装版を勝手に購入しちゃってたので、画面を勝手に開けないようにロックして、パスワードを設定しておいたのです。なので、設定画面などをいじくって初期化したはずはありません。



一体、どうやったら、設定画面を開かずに初期化が可能なのか。
そんな方法、どうやって見つけ出したのか。。。。


と思ってネット検索してみたら、方法は簡単に見つかりました。(´・ω・`)


こちらのサイトに、紹介されてます。


Kindle Fire HD 画面ロックのパスワード(PIN)を忘れた時の対処法
http://fooline.net/kindle-pin/



つまり、あだきち君は、Kindleが画面ロックされてて、パスワードも分からないので、連続五回以上、解錠に失敗しつづけて、Kindleをリセットするかどうかという選択画面をひっぱり出してしまったのでした。(´;ω;`)



続いて、初期化状態のKindleがドイツ語になっていて困った人のブログも発見。


キンドルファイア hd kindle FIRE HD 日本語設定に直す方法
http://kininattatorendo.blog.so-net.ne.jp/2012-12-20


このブログに書かれている通りに、さっぱり解読できないドイツ語を無視して、言語設定にたどりつき、日本語を回復。あとはwifi設定、Amazonのアカウント登録と、順番に復旧させて、使える状態に戻しました。

が、Kindleに保存してあった画像は全滅。
ほとんどはPCに移してあったはずですが、失われたものもあるはず(´;ω;`)

(kindleのアプリを使って、だいぶラクガキしてました)


まあ、しかたありません。orz



とりあえず、画面をロックしても危険だと分かったので、ロックはやめて、買い物が簡単にできないように、kindleの機能制限のパスワードと置き場所を変えることにしました。



今夜は、あだきち君に買われてしまった「野武士のグルメ」を読んで寝ようと思います……orz。











2016年8月20日土曜日

障害者の気持ちを伝えるキャンペーン #FRIENDS4DISABILITY


Twitterで、障害のある方々と同じ社会でともに生きることを支持するキャンペーンに参加しています。こちらです。↓
#FRIENDS4DISABILITY

http://friends4disability.org/

http://friends4disability.org/objective/


下のようなメッセージを書いたボードを持って、障害のある方と一緒に写真をとって、ツイートするだけなのですが……


私たちは、同じ世界で生きることができる。
We can live in the same world.



全国紙でも紹介されたにもかかわらず、参加者があまり増えていない様子です。(´・ω・`)


おそらく、「写真を撮る」というところが、高い敷居になってしまっているのではないかと思います。

プライバシーの問題もあり、障害のある方の写真をネットに流すことを避けるべきと考えるかたは、とても多いです。

特別支援学校などでも、自校のホームページに児童・生徒の写真を掲載する際には、あらかじめ保護者の許可をとって、顔もぼかすなどして伏せて…というふうにするところが、多くなっているはずです。あだきち君の母校もそうでした。


私も、正直なところ、子どもたちの写真をそのままネットに流すことには強い抵抗があります。

なので、このキャンペーンには、あねぞうさんに描いてもらった絵と、スマホアプリのMiiTomoのあだきち君のキャラで、参加しました。





あたたかい心のやどったキャラクターや自作の絵で、私たちが共に生きているということを、世界に発信し、同じように考えている世界の方々からリアクションを受けることは、ちょっと楽しい、うきうきすることだと思います。








2016年8月19日金曜日

脳がいかに治癒されたがっているかを、いますぐ知りたいわけですが


この本、買いました。







ノーマン ドイジ (著), 高橋 洋 (翻訳)

「脳はいかに治癒をもたらすか 神経可塑性研究の最前線」 


                                           紀伊國屋書店




当然のごとく、真っ先に、自閉症関連の章を拾い読みしています。


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近年、リスニングがいかに自閉症の影響を受けるかを説明する一助となる「脳の配線の問題」について、神経科学者たちの理解が進んだ。二〇一三年年七月、ダニアル・A・エイブラムズとヴィノッド・メノンが率いるスタンフォード大学の科学者たちは、自閉症の子どもにおいては、人間の声を処理する聴覚皮質と皮質下の報酬中枢の結合が不十分であることを明らかにした。

人は課題を完成させると、報酬中枢が活性化してドーパミンが分泌され、それによって快感情が引き起こされ、その課題を繰り返す動機が形成される。

この研究では、脳領域間の結合を示す特殊なMRIを用いることで、左半球の言語領域(言語のより象徴的な側面を処理する)と右半球の言語領域(韻律と呼ばれる音楽的、情動的な側面を処理する)が脳の報酬中枢に十分に結合されていないことがわかった。

その結果、声を処理する脳領域を報酬中枢に結びつける能力を欠く子どもは、発話を快く感じられなくなる。


(中略)

私の考えでは、この発話における快感情の喪失は、両親や他の人々との結びつきを形成する子どもの能力に甚大な影響を及ぼす。


P492~
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この文章の前後に、重い自閉症状の子どもや、学習障害、感覚統合などの重篤な問題を持った子どもたちが、リスニングセラピーによって、劇的に改善する話や、なぜ改善するのの説明がいろいろと続きます。



リスニングセラピーでは、子どもの状態に合わせて、他の感覚統合的療法とも組み合わせながら、さまざまな音、音楽が用いられるようです。


具体的に、どんな音もしくは音楽を聴かせればいいのか、分からないので、とりあえずあだきち君本人が、「いつも聞きたがる」音もしくは曲が、あだきち君の脳が必要としている刺激なのではないかという仮説を立てて、あだきち君の大好きな、電子音(ファミコン的ピコピコ)系音楽を、YouTubeで探してきて、私のPCにくっついているBOSEのスピーカーから、少し大きめの音量で聞かせてみました。


あだきち君は、少し離れたところに寝そべって、じーーーっとスピーカーのあたりを見つめていたかと思ったら、そのままぐっすり、寝てしまいました。


今日はかなり落ち着かない様子で帰宅したのですが、ピコピコ音楽のおかげで、一気に沈静化したようです。


そういえば、あだきち君は、赤ん坊のころ、グレゴリオ聖歌トモーツァルトの曲も大好きでした。


起き出してきたら、それらも聞かせてみようと思います。




↓この本、ちょっとばかり高かったけど、この夏、私はどこにも出かけてないし、このくらい奮発してもバチはあたらないかと(^^;。





あだきち君日記と、GOMESSと、大腸がん予防日記


今日のあだきち君




あだきち君は、今朝も元気に介護施設に行きました。

昨日は、職員さんたちとボール遊びをしたと、連絡帳に書いてありました。
それがとても楽しかったらしくて、帰宅してからも、ずっとご機嫌でした。






最近、GOMESSさんという、自閉症のラッパーがいるということを、ネットで知りました。










代表的な作品「人間失格」では、パニックのこと、診断のこと、世の中に感じる違和感のことが、強い言葉で歌われています。


どこか、中原中也を感じさせる詩です。


自分の言葉をほとんど持たないあだきち君も、心のなかの思いを言葉にすれば、GOMESS作品と、重なるところがあるのかもしれないと思いました。





大腸対策



大腸がん検診でガッツリ引っかかり(夏の体調がん疑惑)、来月には内視鏡検査を受ける予定なのですが、ただ検査を待つのも落ち着かないので、いろいろと対策をとりはじめました。


いろいろと、といっても、やってることは単純です。



・楽しいことを増やす

・野菜ジュースを毎日飲む

・乳酸菌を毎日とる

・冷え性をなんとかする



楽しいことといっても、体調の問題で活動がインドアに限られるので、とりあえず、Kindle unlimitedで、漫画その他を読み倒しています。月額980円ですが、完全にモトを取ってます。たいへん楽しいです(∩´∀`)∩。


野菜ジュースは、済陽高穂氏の本などをちょこっと参考に、冷蔵庫にある野菜で作っています。
にんじんやキャベツなど、ぬか床用の野菜がメインになるので、わざわざジュース用に買い足す必要もありません。


   




あとは、ヨーグルトを忘れずに摂るようにして、おなかをあっためています。


内視鏡まで、二週間ちょっと。


……とーっても、憂鬱です(´;ω;`)。


気晴らしをかねて、上の日課、がんばって続けます。






〈「だっきたんぐる」の登場人物〉


あねぞうさん……長女。20歳。作曲修行中。
あだきち君……息子。18歳。自閉傾向のある重度の広汎性発達障害。ボール好き。
ほげ子さん……末っ子。11歳。二年前から、ADHDの薬を服用中。いろいろやっている。
おかーさん……ここのブログを書いてるひと。とても注意欠陥気味。胃腸重視の生活。
おとーさん……我が家では唯一「まとも」と自認してるけど、実はそうでもない。料理が得意。



調子に乗って増やしまくった、その他のブログ


目玉ブログ…こちらを読書ブログにしようか思案中
https://medanadakki.blogspot.jp/
 じゃ、勉強しようか(サボりまくり)
http://hogeko.blogspot.jp/
F家の廊下…最近無人
http://oekakirakugakiadaanehoge.blogspot.jp/
もうブログはふやさないっていったのに増えたブログ…雑文
http://dakkimaru.muragon.com/
読書関係(ではなくなりつつある…用例集か?)
http://syokosan.blogspot.jp/


あねぞうさんのブログ
http://ikuikuikuko.blogspot.jp/

おとーさんのブログ「腐儒の言語学」…
http://fujugengo.blogspot.jp/

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2016年8月18日木曜日

今日の日記・又吉直樹自由律俳句


なんというか……今日も暑いです。( ̄。 ̄;)


暑いのに、お腹だけ、とても冷えるから、貼るカイロ貼ってます。


たのしみにしてた、自由律俳句の本が届きました。


せきしろ×又吉直樹「カキフライが無いなら来なかった」 (幻冬舎文庫)











おしぼりがここまで熱いとは     又吉直樹



うれしくなりますヾ(〃^∇^)ノ。



大腸がん疑惑以来、せっせとお腹を温めてるのですが、電子レンジでつくったホットおしぼりが厚すぎて、危険きわまりないレベルで……

それで貼るカイロに切り替えたのでした。



あだきち君は、今日も通所施設。
これから送っていきます。

五時から起きて、出るのを待ち構えている、あだきち君。

社会的責任感と、参加意欲が、ほんとうに強いのです。







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2016年8月17日水曜日

あだきち君は天然整体師?もしくは、わかりにくい「生きる天才」


あだきち君には、数年前から、妙な行動のクセがあります。


うつぶせになって、からだをゆるーくのばした状態で、おしりをふりふりふりふり、振るのです。


見た目、とってもカッコ悪いです(´;ω;`)。

こだわり行動になってしまっているので、見つけるたびに、やんわりと制止して、違うことに気持ちを向けさせたりして、止めるようにしていました。


ところが、最近になって、こんな記事を発見したのです。


「うつぶせ」になってユラユラとお尻を動かせば痛みが治る!?
http://news.mynavi.jp/news/2016/08/14/176/



理学療法士さんが、身体の構造に基づいて考案した健康法とのことなのですが、やってることは、あだきち君の、おしりふりふりと、まるっきり同じものです。


まさかと思って、私もやってみました。


長年つらい思いをしていた、膝の痛み……毎朝起き上がるときに、「あいたたたたたたたーーーっ」と、気合い入れないと動けないレベル……が、


数日で消えました。(´・ω・`)




あだきち君は、もしかしたら、身体の調子がよくなることを知っていて、うつぶせふりふりをやっていたのかもしれません。


そういう人なのです。


風邪をひきそうになると、自分でお風呂をいれて、ながーく浸かって、あたたまったあと、布団をかぶって寝てしまいます。たいてい、それで自力で治すので、病院の御世話になることが、ほとんどありませんでした。

お風呂に入ると、免疫力が何倍にも上がるのだとか。
あだきち君は、感覚で、そういうことを知っているのだと思います。


重度自閉症のあだきち君ですが、我が家で一番、屈託なく、身体の声を聞きながら、健康に生きる方法を知っている人です。



↓本、買って読んでみてます。おもしろいです。





夏の大腸がん疑惑


昨日、私宛に、二つの郵便物が届きました。

ひとつは、Googleさんから。
このブログはGoogle AdSenseに参加していますので、アクセスがあると、ほんのすこーーーーし、収益があることになっています。その収益が一定基準に達したので、手続きしなさいという、お知らせのハガキでした。

在宅ワークの収入は、あだきち君の通帳に振り込んでもらっていますが、Googleの収益は、ブログの運営者と同じ名義の通帳でないとダメとのことで、それなら改めてお仕事用の自分の通帳を作ろうと思って、ハンコまで新調して(ハンコの自販機を、はじめて使いました♪)、楽しみにしていたのでした。

収益といっても、微々たるものではありますが、やはりうれしいものです。
うきうきしますヾ(〃^∇^)ノ。


で、もう一つの郵便物は、病院からでした。
がん検診の結果お知らせ。
妙に、厚みのある封筒でした。


開いてみると・・・・


大腸がんの検査が、がっつり陽性だったので、診断書を持ってすぐに診察を受けるようにという、通知でした。通知と一緒に、診断書入りの封筒が入っていました。


見なかったことにしたいのは山々でしたが、そんなわけにもいきません。

あだきち君を施設に送って、そのまま病院にいきました。


病院では、検査結果について詳しく聞いた後、内視鏡検査の予約を取って、当日の説明を受けました。


そして,お土産に、下剤の大袋を持たされました。


(´・ω・`)



私の実家はガン家系で、父親も今の私と同じくらいの年齢で、大腸ポリープを取っています。

父親は,その後、大腸がんではない、別のがんを発症し、いまも治療中です。



正直なところ、私には若干の自覚症状があり、かなり長いこと、それが続いています。

いろいろ覚悟しつつ、しかし全力で治す方向で、しばらくは暮らそうと思ってます。



だって、まだまだ倒れていられません。


とりあえず、Amazonで大腸がんにいい食事療法の本をどさどさ買って、食材を買い物してきました。


あとは、ストレス回避して、楽しい気持ちで過ごすことでしょうか。







2016年8月14日日曜日

16年間の地道な療育が、あだきち君にもたらしたもの


過去の家庭内お絵描き大会のデータを探していたら、あだきち君が描いた絵も見つかりました。

2007年、あだきち君が9歳のときの絵と、その日の日記を転載してみます。

描いたのは、きついパニックのあった日でした。


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お絵描きタイム
2007年10月13日・・・あだきち君9歳(小学四年生)




よそ様の日記をぼーっとながめていたら、机の隅っこの本の間に、テーブルナイフが挟まっているのが目に入った。

朝、あだきち君が振り回して暴れているのを取り上げて、急いで隠して、そのまま忘れていたのだった。



くたびれた一日だった。


四時間睡眠。
やたらと早く目が覚めて、起きた途端にあだきち君のパニック。

散々騒いで疲れ果てて、一度眠ったけれど、起きたらまた小パニック。


キレ方は昔ほどじゃないとはいえ、体が大きくなっているから、暴れられると、やはりキツい。体力的にというよりも、神経にくる。


  このまま大きくなったら…… 


などというネガティプな思考は百害あるだけだ。


大きくなるまでに、出来ることをする。
ここまで来たのがそもそも奇跡なんだから、これからも奇跡を起こすのみだ。



・・・・・・・


昼間の動揺の余波か、夕食のときには全く手が動かず、全部家族に食べさせてもらったあだきち君だけれど、満腹して落ち着いたのか、お風呂上がりに、自分から絵を描き始めた。


描いたものを見せてくれず、あっという間に消してしまうのだけど、すきをみて、撮影させてもらった。






おにぎりに、耳が生えたもの。

でも自分で、「これはちがう」と思うのか、ナナメ線を入れている。

何度もこれを描いたあと、次にこういうものが出現した。




















ものすごい早さで描いて消してしまうので、あわてて連写した。


キツネの顔らしいのだが、耳の位置が低すぎる。やはり自分でもおかしいと思うのか、ナナメ線を引いたけれど、考え直したのか、その横に自分で「きつね」と書いていた。




あだきち君は、図形を正確に思い出して描画することに、恐らくは脳の器質上の困難を抱えている。


文字のように、書き順のしっかり入っているものは、動作として記憶して再現することができるけれども、図形だけを記憶して再現することが難しいのだ。



それでも、ここまでのものを描けるようになっているのだ。

親になかなか見せてくれないのは、自分でも苦手意識があるからだろう。間違ったものを描いていると気づいているのだ。それでも、描いていたときのあだきち君は、かなり楽しそうだった。水彩画のときほどではないけれど、表情はやわらかくゆるんでいた。


あと少し、なのではなかろうか。


描画の楽しみを手に入れることは、たぶんあだきち君の生活の質を、大きく変えるきっかけになると、私は考えている。


ものをきちんと見ること。
視覚的な注意力や記憶力が改善されること。



これらはあだきち君が抱えている生活上の困難さを、一気に軽減する可能性を持っている。毎日毎日、靴の左右をはき違えたり、次にすべきものを見失って、立ちすくんで途方にくれたりしなくても済むようになるかもしれないのである。


それは、めぐりめぐって、フォークやテーブルナイフを振り回して泣き叫ぶような苦しみをも遠ざけてくれるかもしれない。





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これから9年たったいま。


残念ながら、あだきち君は、お絵描きをそれほど好まないまま、18歳になりました。


けれども、長い間続けた、お絵描きの療育と、練習は、あだきち君の、ものの形を見る目を養ってくれました。

靴の左右を間違えることは、もうありません。

漢字を読んだり、書いたりすることは、大好きで、学校を卒業したいまでも、通所施設に漢字ノートを持っていって、練習します。


そして、当時頻繁にあったパニックは、いまでは、もう起こすことが本当に少なくなりました。

起こしても、年に一回くらいで、しかもかなり自制をしていますので、大きな混乱になることはありません。奇跡は、確かに起きました。






今年になって、あねぞうさんのiPadを借りて、お絵描きソフトでラクガキをするようになっていますが、形のあるものを描画するのではなく、ひたすらキャンパスを塗りつぶして楽しんでいるように見えます。


でも、もしかしたら、何か形を描くための、準備をしているのかもしれません。


あだきち君は、何か新しいことをはじめるときに、最低半年くらいの準備期間を必要とする人です。じーっと見続けたり、少しづつ触ったりしながら、心を慣らしていくのだと思います。


あだきち君が、iPadで、何か描き始める日がきましたら、またご報告します(^^)。




「AIKI」






 ゆうべ、おとーさんが新聞を読んでいると、あねぞうさんもやってきて、なにげなく一緒にながめていたのだが、やがて「AIKI アイキ」という映画の広告の上で、あだきち君の目線がぴたりと固まった。

 なんでも、不慮の事故から車椅子生活を強いられている、身体障害の青年と、心ある人たちとのふれあいを描いた作品だそうである。

 青年は、「AIKI」、つまり合気柔術を通じて、生きる力を取り戻していくのだという。



 心をバリアフリーにして
 思いっきり泣いてください。



 宣伝文句に、そう書いてあった。









あだきち君は、この広告から、ずーっと目を離さなかった。ちょっと新聞から離れても、また同じ広告のところに戻ってきた。

 ほかにも、いくつも映画の広告があったのに、どうしてこの映画にひかれたのだろう。障害者の映画だから? まさか。それとも、バリアフリーという単語を知っていたからだろうか。分らない。

 いつかビデオになったら、あねぞうさんと一緒に見てみようと思う。




※あだきち君…4歳  自閉傾向のある、重度広汎性発達障害 
※あねぞうさん…6歳  ネフローゼ症候群



(2016年8月18日現在…まだ見てません…orz)

過去のお絵描き大会/絵と漢字



家族の画力…



昨日、Twitterを眺めていたら、「#血縁者に絵の上手い人はいるか」というハッシュタグが、トレンドになっていました。

見て見ると、ものすごく絵のうまいご家族のあるひとが、たくさんいます。

とくに、お母さん。半端なく画力のあるお母さんのいる人が、たくさんいました。



我が家の画力…



それにくらべて、我が家は・・・・・  (´・ω・`)



最近、あまりやっていなかったのですが、我が家では、ときどき、突発的に「お絵描き大会」というものをやることがあります。

お題を決めて、決まった時間内に絵を描いて見せ合うというだけですが、なかなか楽しいです。



2010年02月23日の、お絵描き大会の絵がPCのなかから見つかりました。

6年も前なので、子供たちの絵は、いまとはずいぶん違っています。



お題は、「電話」




ほげ子さん、6歳。





うちの家電は白なのですが、ピンクになりました。




あねぞうさん、14歳



こちらは黒電話。あねぞうさんは、たぶん、ホンモノを見たことはないはずです。





おとーさん






何代か前のうちの家電が、こんな形でした。
いまはファックス一体型。



おかーさん







昔から、絵を描くのは大好きなのですが、何を描いても、呆れられます。
ヘタクソとかいう以前の「なにか」の要素が、見る人の神経にさわるらしいです。( ̄。 ̄;)




過去の「お絵描き大会」の記事

我が家のお絵描きブログ「F家の廊下」


……


絵よりも字の人…



お絵描き大会は、あだきち君にも参加してほしくて、あの手この手で誘うのですが、なかなか描いてくれません。

「電話描いて」と頼むと、紙に大きく、「でんわ」と書いて、終わりです。


いまなら漢字で「電話」と書くかもしれません。



あだきち君は、療育でも、長い年月、お絵描きの練習をしてきています。

簡単な図形の模写をすることからはじめて、記号的な人物、動物などを、いくつか描けるようになっています。

でも、絵を描くということに、あまり興味が持てないのか、モチベーションがわかないのか、自宅で余暇にお絵描きをするということ滅多にありません。


でも、模写の練習をするようになったころから、あだきち君は、漢字をよく習得するようになりました。

何がどう役に立つのか、分からないものだなあと思ったものでした。






2016年8月13日土曜日

差別や偏見と文字数で戦おうと思ってみた



大事なモノを入れているお財布と、ほげ子さんが描いた絵





ここのところずっと、体調を崩していました。

連日の頭痛、胃痛、抑鬱感、しまいには強い吐き気と、微熱。


水曜日あたりには完全におかしなくり、翌日はほとんど寝たきり。


お友だちに「よくない報道で、気持ちが負のスパイラルに陥っている」というふうに言ってもらい、そうかもしれないと気づきました。



相模原の事件について、報道を見続け、考えつづけていたことが、自分で思っているよりもずっと、ひどいストレスになっていたようです。


ニュースを見るのをやめて、本を読んだり、お笑いの動画を見たりしているうちに、少しづつ回復してきました。


昨日には在宅の仕事も再開。
ゆっくりですが、一日が終わるまでには普段通りの仕事量をこなせましたので、まあまあ復活したかなと思っています。


気持ちの問題は、ないがしろにしてはいけないことだと、痛感します。

よくないもの、恐ろしいもの、希望を打ち消させるようなものばかり見ていると、暮らしていくのに必要なエネルギーを生み出す力が、根っこのほうから損なわれていくように思います。



世の中が、どうにも荒んでいて、ニュースやTwitterなどを見ていると、どんどん元気がなくなっていく気がします。


うちの子供たち……あだきち君や、あねぞうさん、ほげ子さんのような人たちが、希望を持って暮らしていけるような世の中を願うことは、無理なのか……そう思ってしまうと、ほんとうに力がなくなります。


今日もたくさんの障害者差別、蔑視の発言、偏見を生み出すような意見が、ネット上に書き込まれ、拡散されています。


書いたり拡散したりしている方々は、なんの痛みもなく、ごく気軽な気持ちで、あるいは正義を行う心地よさすら感じながら、そうしているのかもしれません。


抗議のようなことをしても、そうした発言が消えることは、まずありません。
書いた人が反省したり、心を変えたりすることも、ほぼないと思います。悪いことだとも、思っていないことでしょう。


結局、見ないようにするしかないわけですが、そういうものを「見たい」と思う人が、検索でそうした発言を収集し、あの犯人のような信条に至るとしたら……


どうしようもないと思うのは癪なので、そういう発言を1つみたら、その十倍量、ポジティブな発言を書こうと、ほとんど自爆のようなことを思いました。


マイノリティが数で勝負しようというのですから、絶望的ですらあります。でも、何かせずにはいられない。できれば戦うようなことはしたくないし、誰のことも傷つけたくない。それなら、そういう方法しかないのではないかと、思いついたのです。


まあ、タイピングの量とスピードには、いささかの自信がありますので、健康維持に努めつつ、書き物をがんばろうと思います。



2016年8月9日火曜日

一般就労の広がる可能性・企業の取り組み

とんでもなく暑い日になりました。


Yahooの天気予報によると、うちのあたりは気温38度とのこと。


エアコンがあまり効かない部屋にいるので、かなり意識して水分補給などをしないと、ヤバい感じです。( ̄。 ̄;)


ブログにたくさん書きたいことがあるのですが、どうにも体調がすぐれず、なかなか書けずに数日たってしまっていますが、今日は書きます。書かないと、どんどん忘れてしまいますので(´;ω;`)。



数日前に、障害者雇用についての講演会を聞いてきました。

講師は、宮腰智裕さんという方で、あの松屋フーズの人事総務部長付顧問、というお仕事をされているとのことでした。

松屋フーズには、、エム・エル・エスという、クリーニングを担当する特例子会社があって、そこでは障害のある方がたくさん働いておられるそうなのです。


一般就労の方面については、これまで全く不勉強でしたので(あだきち君に一般就労の見込みがなかったので、つい、サボりました……orz)、講演でお話いただいた、一般就労での本格的な障害者雇用の現場は、はじめて知る世界でした。


↓こちらのサイトに、宮腰さんの会社で働く、障害者の方々の様子や、会社の考え方が生き生きと紹介されています。


「せっかくの能力を育てて戦力化しなければもったいないと思います」
http://www.matsuyafoods.co.jp/mls/recruit/


記事のなかに、

障がい者スタッフと健常のパートスタッフが一緒に働いています。
指導員と障がい者の関係ではなく一緒に働いています。
テキパキと自分で判断して行動しています。


と書かれています。
講演でもうかがいましたが、一日の仕事量は大変多く、障害のある方々が、大きな戦力になっているそうです。



会社では、障害のある方々が働き手としてしっかりと実力を出せるように、療育ともいえるような配慮をされていることも、お話されていました。


一般就労をする障害者は、職場に適応できないなどの理由から、長く勤めることが難しい場合が多いそうなのですが、エム・エル・エスでは、むしろ退職され方が少ないそうです。講演では、がんばって家を購入した方の話も出ていました。

もともと、食品業界では働き手を見つけることが難しかったことから、障害者雇用との縁が出来たそうです。

工場では、自閉症の方も働いておられるとのこと。

会話はほとんどなくても、出勤してくれば挨拶をして、お昼にはみんなでご飯を食べるそうです。
ちょっとハイになってしまっている様子のときには、現場の方々の判断で、危険のないポジションから作業を始めて、落ち着いたらまた変えて…そんな配慮もされるそうです。


知的な障害があっても、幼少期から、「あいさつ」などの基本的なコミュニケーションが取れるように練習しつづけて、お勤めができるような規則正しい生活と、集団生活に適応できる食生活習慣が培われていれば、就業の可能性は大きく広がるとのことでした。


働く力があっても、最低賃金以下の工賃だけをもらいながら、就労支援の作業所に通っている方々が、たくさんいるはずですので、こうした企業の取り組みがもっと広がっていけば、障害児の親にとっても、大きな希望になるだろうと思われました。


あ、そういえば、私、松屋の牛丼、一度も食べたことがありません。
そのうち、あだきち君と一緒に食べたいと思います。


講演に触発されて、私も、もっともっと、あだきち君の「できること」の底上げを手伝ってやりたいなと、思いました。企業への就労は、相当難しいと思いますけれども、日々の生活のなかで、できることや、作れるものが増えていけば、それだけ、社会のなかでの居場所が増えていくかもしれません。


というわけで、今朝のあだきちくんの成果です。↓







Y字リリアンです。

あだきち君の目の前で、しばらく編んで見せたあと、持たせてやって、二人羽織形式で、うしろから手を添えて編ませようとしてみたら、私の手を、ぺいっと振り払って、自分一人で編み始めました(20cmくらい)。

目は、まだそろいませんけれど、たぶんすぐに上達すると思います。


このままでは作品にならないので、束ねたり縫い合わせたりして、「何か」にしようと思います。













2016年8月8日月曜日

自閉症の子と「違っている」という感覚

あだきち君を見ていると、自閉症というのは、「違う」と「同じ」を共有しにくい壁であるのだなと思うことが、よくあります。


あだきち君は、味噌汁のダシを変えると、すぐに気づいて、あまり食べなくなったりします。
ホンモノのかつおぶしと昆布のダシと、「かつお風味のほんだし」の違いは、すぐに分かります。ホンモノが大好き。ほんだしは、許容。それ以外のインスタントのダシだと、あまり味噌汁を食べなくなります。

他の家族も、気づくこともありますけども、あだきち君ほど鋭敏ではありません。


あだきち君は、どういうわけかわかりませんが、Tシャツをかならず、後ろ前の裏返しに着ます。
トランクスは、裏返しにはしませんが、必ず後ろ前にはきます。

そんなふうにする理由は、さっぱり分かりません。
他の人はそんなことをしませんし、何度も注意されていて、「違っている」と分かっているはずなのですが、他の人のやりかたやアドバイスに合わせるつもりは、全くない様子です。

人に合わせることをしないのは、決して、人と違っていることに気づいていないからではないようです。気づいていないことも多いのでしょうけれども、人と違っているということに、あだきち君は、ほとんど重きを置かないのです。


あだきち君には、仲間はずれにされるとか、「人と違っているからいじめられるかもれしない」という概念が、そもそもないように見えます。


あだきち君にも、好みはありますが、それは少なくとも、自分と「違っている」か「同じ」かで決まるものではないようです。


あだきち君は、誰かを差別したり、「自分と違っている」ことを理由に排斥したりするようなことを、決してしません。



あだきち君は、車椅子の方々や、いろいろな病気、障害を持った方々と、毎日施設で一緒に過ごしています。

直接会話したり、関わったりということは少ないようですが、あだきち君の様子をみていると、ゆるやかで、穏やかな、けれども確固とした仲間意識があるのが分かります。

「ここは、僕の居場所」という確信をもって、毎日、ニコニコしながら施設に通っています。


いつか、あだきち君が、仲間に対して、周囲の世の中について、どんな思いを抱いているのか、言葉で教えてくれる日がくることを願って、いまもずっと、言葉の勉強を続けています。

「違い」にあまり頓着しないように見えるあだきち君ですが、心のなかでは、もしかしたら、もう少し複雑なことを考えているのかもしれない……そんなふうに思えるような、思慮をめぐらせているらしい表情をすることもあります。


でも、もしもあだきち君が、それを言葉にしても、アメリカの大統領選に出るらしい、トランプさんのようなことは、絶対にいわないだろうなという確信が私にはあります。


(__).。oO


今朝、ネットでたまたま見つけた記事に、自閉症の男の子がはじめて試作をしたエピソードがありました。


「ボクは変わり者」
自閉症の男の子の詩に、本当に大切なものを思い出す
http://tabi-labo.com/273388/iamoddiamnew/


邦訳がついているのですが、英語の原文と比べると、だいぶニュアンスが変わっているように思えます。

原文を書き写してみます。



I am odd,I am new

I wonder if you are too

I hear Voices in the air

I see you don't, and that's not fair

I want not to feel blue



I am odd, I am new

I pretend that you are too

I feel like a boy in outer space

I touch the stars and feel out of place

I worry what other might think

I cry when people laugh, it makes me shrink


I am odd,I am new

I understand that so are you

I say, "I feel like a castaway"

I dream of a day that that's okay

I try to fit in

I hope that some day I do

I am odd, I am new.




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記事は「障がい者を標的にした目を背けたくなるような事件の後だけに、ベンジャミン君の詩の中に登場する“違い”の意味を、改めて考えるきっかけになればと思います。」と、結んでいます。



私も、マネして書いてみました。
詩ではありませんが……

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私は、ちょっと変わったおかーさんです。

私はかなり斬新だったりするかもしれません。

あなたも、三人のかわった子のおかーさんであれば、私と同じくらい、斬新かもしれません。

でも、三人のかわった子を持たないおかーさんたちは、あまり私とは似ていないかもしれません。

とくに問題はありません。世の中、そんなものですから。



うちの子供たちは、ちょっと火星人っぽいかもしれません。

ということは、私は、火星人のおかーさんです。

ときとぎ、混んでいるエレベーターに乗るのを避けることがあります。

火星人がエレベーターに乗っていたら、びっくりする人もいるでしょう。

でも、「いっしょに乗ろうよ!」と呼んでくれる人もいるのです。

ちがっていても、いっしょに乗れる。それはとてもうれしいことだから、

そんなことのあった日は、火星人のおかーさんは、たくさんブログを書くのでした。








2016年8月7日日曜日

私たちは、同じ世界で生きることができる。We can live in the same world.



相模原の事件の追悼の画像、あねぞうさんにも、描いてもらいました。



 




右側が、あねぞうさんの自画像、左側が、あだきち君のキャラになります。

もう十数年間、我が家では、この様式のキャラたちが、三人の子供たちのシンボルとなっています。

(もともとは、いしいひさいちの「地底人の逆襲」に出てくる、最低人にヒントを得て、おとーさんが描いたものを、当時2歳だったあねぞうさんがマネして描きはじめたのでした。)




もっともっと、こうした言葉へ賛同する方、あたりまえと感じる方が、増えてくれることを願います。








↓「地底人の逆襲」、紙の本は品切れっぽく、Kindle化もまだのよです。Kindle Unlimitedでの復刻希望~。









誰もが安心して参加できる社会を願ってMiiで写真撮影


今朝、Twitterを眺めていましたら、障害のある方々が、あたたかい笑顔に囲まれて、文字の書かれたボードを持っている写真を見かけました。

事件で亡くなった方々を追悼し、障害のある方々と同じ社会でともに生きることを支持するための、キャンペーンだそうです。

http://friends4disability.org/objective/


私も、あだきち君のMiiと一緒に、参加しました。





 #friends4disability



あの事件以来、世の中に対する漠然とした恐怖感、不信感が、自分のなかで増してきているのを、日々感じています。


障害者に対する否定的な書き込みをネットで見ることは、もうすっかり慣れているはずなのに、目に入っただけで、身体の具合が悪くなるようなありさまです。



障害のある人も、社会に参加し、家族や仲間に囲まれて、意義ある人生を送っています。

その当たり前のことが、障害に関したネガティブな側面ばかり強調した発言で覆い被され、さらにネットなどでそれらを目にした、あまり実情を知らない人々の批判によって、日々否定されつづけています。さらに、自分と違う、異質なものに対する嫌悪、差別、ヘイト、他者の落ち度への容赦ない突き上げや批判が、社会的な抑圧からのストレスを払拭する娯楽のように行われる世の中……


相模原の事件は、そのような世の中の流れの末に起きてしまったことのようにも思えます。


その暗い流れに対して、当事者として、少しでも何かしなくてはという思いが、日々ふくらんできています。このまま、生きることすら否定されていく風潮に、抗わずにいれば、いずれ、誰もが希望の持てない社会になってしまうかもしれないという、強い危惧があります。


誰しも老いて、病んで,やがて命を終えるのに、その行く末を丸ごと否定し、侮辱するありかたには、はっきりとNOと言わなくてはならない。そう思っています。

















2016年8月5日金曜日

自閉症と言葉の習得・・・あだきち君の場合/ショートステイ

ショートステイ・旅行・一人の夜


今週も、あだきち君のショートステイがありました。火曜日の夜、一泊。

夜勤の方が、数時間おきに、様子を見てレポートを書いてくださっています。
穏やかに過ごして、九時半には就寝し、途中でトイレに起きるようなこともなく、朝までぐっすりだったとのこと。


あだきち君がショートステイの夜から、おとーさん、あねぞうさん、ぼげ子さんの三人も、三泊四日の旅行に出ていました。

なので、家には私ひとりきりだったのですが、あまりにも静かで、全く落ち着かず、それはまあいいのですが、本を読み出したら止まらなくなってしまい、気がついたら夜が明けていました。ほぼ完徹。

翌日水曜日は、午後三時半にあだきち君を迎えにいって、夜は療育教室というコースでした。
ヨレヨレのフラフラで、死ぬかと思いました。


しかし懲りずに、その夜も、その次の夜も、本を読んでしまい……


いま、かなりまずい体調です。(´;ω;`)


家族がいないと、過集中モードが炸裂してしまうということを、すっかり忘れていた挙げ句の、ひさびさの不摂生でした。

でも、本当に久しぶりに、小説をガッツリ集中して読めたので、ちょっと幸せです。この夏唯一の、おかーさんの娯楽ということで、大目に見てもらおうと思います(誰に?)。



自閉症児と言語生活


最近構築を開始した、おとーさんのブログのほうに、こんな記事があります。



Q.自閉症の人達はなぜ筆談ができるのに、声に出して話すことができないのですか? 


A.「自閉症」は、脳の障害に起因する、多様な症状の「コミュニケーション・認知・情報処理」障害です。
 言語について言えば、まったくコトバをもたないものから、普通に会話できるものまで、さまざまです。
文字言語をもち、音声言語をもたないタイプも、その中にはあります。 
 この場合、頭の中に[音韻(音のイメージ)]:[語彙][文法]の言語の基本要素は具わっています。
 そして、[音韻]を[文字]に[変換]して、[手]で[図形]を[書く]ことはできます。しかし、[音韻]を[音声(実際の音)]として実現するところに問題があると考えられます。 (以下略)

あだきち君が小さかったころ、よく思ったことがあります。

おとーさんが言語研究の専門家で、私(おかーさん)も、一応そちらを志したことのあるという、そんな家庭に、テコでも言葉を話そうとしないあだきち君が生まれてくるというのは、ものすごく「おもしろい」ことなんじゃないかと。


いまはかなり理解語彙や使用語彙が増えてきているあだきち君ですが、幼児期には、半年に一回ぐらい、奇跡のように突然に、単語らしきものを口にするだけででした。

2歳ちょっと過ぎたころ、突然、童謡の「アイアイ」を歌い出したことがありました。

「あいあいー、あいあーい、おさーるさーだよー」

あいまいな発音でしたが、たしかに「アイアイ」の途中までを、しっかりした音程で、あだきち君は歌ったのです。


ああ、この子はしゃべれるようになるかもしれないと、その日は完全に祝賀モードでしたけれども……


歌は、その一回歌っただけで、それから数年間、全く出てきませんでした。
こうした一回限りの奇跡は、その後も、たびたび起こりました。
(その度に、盛大にぬか喜びしては、落胆したものでしたが、いまはよい思い出です…)




なぜ、ときどき奇跡のように言葉がでて、その後、出なくなってしまうのか。



不意に言葉が出る、その言葉が日本語として聞こえる、ということは、音声を聞き取って、音韻として記憶する力はあるということだと思います。

けれども、その記憶を想起して、音声として発するところまでに、何か、大きな問題があるのではないかと思いました。

それから、言葉の意味を、音声に結びつけるということが、うまく出来ていない可能性もあるように思いました。何百回、何千回教えても、「バナナ」と言われて、二択でバナナの絵カードを選ぶというようなことが、とても難しかったからです。


そんなあだきち君ですが、ほとんど言葉を自発的にしゃべることのない状態のまま、5歳くらいで、療育教室や、公文の教材で練習し続けていた、ひらがなと数字が読めるようになっていました。さらに練習を続けて、ひらがなや数字を自力で書くことも、可能になりました。


それはつまり、聞き取った音声と、文字をくっけて記憶するということが、出来るということでもありました。


そこで、面白いことが起きました。

あだきち君は、いくら言葉を「聞かされて」練習しても、物の名前を全く覚えることが出来なかったのに、物の名前を文字にして、書いたり、読む練習をたくさんすると、覚えられるようになったのです。



バナナの絵に、「ばなな」とひらがなを添えたカードをつくり、それを、何百回も書き写させたり、読ませたり、読んで聞かせたりするうちに、1つ、また1つと、単語を覚えていくようになったのです。


最初は、1つの単語につき、数日にわたって、数百回もの読み書きの練習が必要でしたが、その語だんだん覚えやすくなって、数十回の練習で、単語を記憶できるようになっていきました。



そのころから、あだきち君は、空書(くうしょ)をするようになりました。
何か言葉を聞くと、指でひらがなを書くようなしぐさをするのです。

どうやら、聞いた言葉を、一度文字にすることで、記憶が可能になるようでした。


音声言語だけでは、たった1つの単語の習得すら困難だったのに、文字を解すると、少しづつ語彙が増えていって、片言の会話ができるようになっていったのです。


そういうわけで、あだきち君は、いまも書きの練習を中心に、言葉の勉強を続けています。




まとまらない話になりましたが、あまりにも暑いので(外の気温35度・エアコンの効きが悪い)、今回はここまでとします。




2016年8月2日火曜日

自閉症の家族ととも生きていることを、ネットに書く意味(…は小さくないと思う)






miitomoで撮影した、家族の肖像なんですけど……みんな、いつも、いい加減なコスプレしてるから、変な写真になってしまいます。とくに、あねぞうさんと、おとーさん。( ̄。 ̄;)



相模原の事件



心にとまる記事を見ましたので、少し引用します。




<相模原殺傷>被害者の心情伝えて 東京アドヴォカシー法律事務所弁護士・杉浦ひとみさん

http://mainichi.jp/articles/20160802/org/00m/010/003000c


 通常の事件報道と今回の報道の違いに気付いているだろうか。事件報道では「こんな幸せな将来があったはずなのに……」と被害者の人生や夢が描写され、奪われた幸せや権利などがアピールされるのが常だが、今回は被害者側の話がほとんど表に出てきていない。
     「障害者が亡くなったからといって、どれほどの意味があるのか」という社会の一部の空気に抑えられ、家族など被害者側の人が声を上げにくい状況にあるのではないかと感じる。被害者側が全く声を上げていない、上げられない状況は極めて異様だ。障害者に対する社会の中での位置づけが如実に表れている。
     自分の家族がこのような形で命を奪われたら、泣き叫びたくなるほど悲しいのは、健常者であれ障害者であれ同じだ。悲しいことは悲しいと気持ちを表に出せて、周囲も受け止めてくれる、そうした社会を作っていかなければならない。(後略)
    ---------------------------------------------



    ほんとうに残念なことですが、重度の障害者を社会保障で支えていくということに対する批判の言葉を、毎日のように、ネットで見かけます。この事件に煽られるかのように、そうした発言が増えているようにも思います。


    想像ですが…
    犯人も、そのような、自分が共感できる言論ばかりをネット上で確認しながら、自説を正しいと信じていったのではないかと。



    ネガティブな言論によって、じわじわと、重度障害者(児)と共にある暮らしや気持ちが、圧迫されてきていると感じるのは、気のせいではないのだろうなと、上に引用した記事を読んで、思いました。



    あだきち君たちが、安心して暮らせる世の中でありつづけるためには、何ができるのか。


    分かりませんけれども、ネガティブな言論に数で負けてしまわないように、当事者である私も、自分たちの生活や思いを発信していくことも、必要なのかなと、感じています。


    押しつぶされてしまわないように。
    一人でも、二人でも、理解して心に留めてくださる方のところに、声が届くように。








    介護施設と、あだきちくん


    今日はショートステイの日です。
    あだきち君は、着替えをバッグにつめて、お茶をたくさんいれた水筒を持って、うきうきしながら、施設へ行きました。



    そういえば、あだきち君が、介護施設への通所をはじめて、ちょうど四ヶ月になりました。

    初めのころは、ずいぶん心配もしました。

    なじめるのだろうか、他の方々に、ひどく迷惑をかけるようなことはないのだろうかと。

    けれども、支援学校時代の担任の先生がたも、実習のときに様子を見てくださっていた職員の方々も、入所前から、「そんなに心配はいらないと思う」と、言ってくださっていました。


    その通りになりました。


    平日の朝、ちょっとうきうきしながら施設に向かう、あだきち君の様子を見ている私の気持ちに、もう不安はありません。


    もちろん、課題はたくさんあります。

    周囲の方々と楽しく暮らせるように、少しでも、自立できることを増やしてほしいですし、言葉も、もっと自由に使えるようになってほしいと、願っています。介護してくれる方の存在が必要不可欠な人生ですので、その方々と、よい絆がもてるように、しっかり成長してくれればと願っています。

    そのためにも、私がそばについていられる限り、療育の支えは続けていくつもりです。





    〈「だっきたんぐる」の登場人物〉


    あねぞうさん……長女。20歳。LINEスタンプ売り出し中。旅行中


    あだきち君……息子。18歳。自閉傾向のある重度の広汎性発達障害。ショートステイ中。

    ほげ子さん……末っ子。11歳。二年前から、ADHDの薬を服用中。
    旅行中
    おかーさん……ここのブログを書いてるひと。とても注意欠陥気味。自宅療養中。
    おとーさん……我が家では唯一「まとも」と自認してるけど、実はそうでもない。
    旅行中


    調子に乗って増やしまくった、その他のブログ

    目玉ブログ
    https://medanadakki.blogspot.jp/
     じゃ、勉強しようか
    http://hogeko.blogspot.jp/
    F家の廊下
    http://oekakirakugakiadaanehoge.blogspot.jp/
    もうブログはふやさないっていったのに増えたブログ
    読書とか言葉とかの関係

    おとーさんのブログ(構築中)
    http://fujugengo.blogspot.jp/

    2016年8月1日月曜日

    夏休みの月曜日



    今日は,暑いだけじゃなくて、天気がとても不安定で、いきなり土砂降りがくるし、雷はなるし、私でも不安になるような天候でした。


    あだきち君は、施設で、午前中はぼーっとしていたとのこと。

    午後には、職員さんのお手伝いをしたり、ノートに漢字を書いたりして過ごしたようです。


    荒れた天気でも、パニックになるようなことは、なかったようで、ホッとしました。







    ほげ子さんは………

    宿題頑張ってほしいです。
    いや、だいぶがんばってますけども、毎年毎年、夏休み最終日に、

    「うあああああああああ、これやってない! あれもやってない!」

    と、おかーさんが大騒ぎするのは、疲れるので、もう勘弁してほしいです。(´;ω;`)