2017年6月30日金曜日

「G」についてひたすら歌を詠むTwitter企画参加作品


なにかG的なものをイメージした絵…





六月中旬に、Twitterで、いつも「付け句祭」を開催されている、かつしーさん(@cassy_yu)が、G」についてひたすら歌を詠むというのを企画してくださったので、思いっきり参加させていただきました。


以下、Twitterに発表した、ゴキブリ関連の歌です。




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不死身でもないのにいつも「二億年生きてる奴ら」と言われる理不尽




わたくしはいきものとしてダメだからタフな彼らと話してみたい





擬人化のフィルター役に立たなくて「同棲してる」と言えずに暮らす




ゴシックと言えば言えるのかもしれない黒い彼らとわたしの暮らし





たぶんそれは聖なるあかし生きている一兆五億の彼らの羽音





存在をどこでも否定されるから彼らは黒く黒くなるのか





あの家の執事は五木武理チャバネという名だと聞いたが気のせいだろう





「原因は何か」だなんて聞かないで彼が来たのは運命だから





「どうしても愛せないから殺したの」そして彼女は布団を捨てた





今生の死装束は「鼻セレブ」来世はできれば森に住みたい




不覚にも逃がしたアイツの子孫だと直感したけどうれしくもない




アレだけはお菓子にしてはいけないと思うけれどもちょっとやりたい






透明な紙に触覚二本描きガラスの窓に貼りたい無意味





知られざる彼らの思想は世界主義殺されながらどこにでも居る





ぬばたまの彼の羽音を「堕天使の訪れ」と言う自分が痛い





密室の殺意に駆られ断固たる鈍器を振るい そしてはずした




蝶だってうじゃうじゃいたら怖いけど叩かないのは優しい差別



薄暗いこの世の隙を楽園と見なして棲まう無言の君ら




もういない気配もしないと言うけれど疑心暗鬼の幕は降りない





いつ何処でなにをしてても触覚がゆらりと見えるサグラレテイル





あの人は私を嫌っているらしい私はそんなに嫌いじゃないのに





まるまると太った「G」がわたくしの六月未明の安寧を食む






殺戮のあとのしじまに亡き王女のためのパヴァーヌ口ずさみ居る





その「黒」はいつも私に突きつける殺す凄惨殺さぬ欺瞞






我々に生きる意味問う虚しさをクラスタ「G」は数で示した。




居住まいを正して彼奴らに問うてみる「嫌いなものを三つ教えて」





今日君は僕と別れていつか死に生まれ変わって「G」となるかも






今日僕は君と別れて悲しみのあまり転じて「G」となるかも





痴漢する手の甲に針突き立てるさまを電車のGは見ていた





あやつらは乗り物に乗り空を飛び地を這い我が家を目指して進む






我々のパトスの舵は原初から「昆虫G」に奪われている




「彼ら」への負の情念がわたくしに情のチカラを教えてくれた




共生と言えば言えるか無気力の我の寝床に寄り添う「彼ら」



非情という情を手に持ち毒性の霧で死にゆくGを見ている




「そういえばこの頃出ないよね」は禁句きっとその日のうちに出るから





森に棲み木漏れ日あびて暮らすなら憎まれることもなかろうものを




ひとときの癒しのカフェの白壁にアレが止まって私を見ていた




夏空の大きな雲がゴキブリのカタチだけれど恐くはないね





ふと思う殺されなければいつの日か彼等は自然に死ぬのだろうか





「進化してサイズが五倍になったなら」想像力はそこで凍った




57577」がふと「頭・胸・腹・脚・触覚」に見えたかも





見た途端「とうちゃん!」と呼ぶ娘らよ「ゴキブリ」イコール「とうちゃん」ではない






詠むために反芻しすぎてゲシュタルト崩壊起こしたアレの概念




自販機がアレの住処となることもあると聞かされ缶洗う我





マダガスカルオオゴキブリを取り寄せて名付けて愛でる人もあるとか






根絶やしにしてもぬらりと蘇る名前を言えない恐ろしい君




大鍋でぐらぐら煮れば赤くなる「かれら」を盛ったパーティの皿




いつの日か人が滅びて現れる君らの社会は素敵だろうか



ぐらぐらとゆれる価値観あまりにも考えすぎて好きになりそう



甘くした生クリームとフルーツとガラスの器 散りばめるアレ




凄まじく死ぬ彼等とて恋をして子を産み育てると知っているけど





みずからの命の先行き思う時ふっと横切る楕円の姿




Gたちは人の耳殻に魅せられて住処にすべく夜に這い入る





産声をあげず産湯も祝福も必要でない清らかな生




高層の窓から強く身を放ち都会の虚空を滑り行くアレ




高邁な戦姫の如く彼女らはスリッパ握り怨敵を狩る




君たちの母胎は何を見ただろう産んで潰れて果てる刹那に





いにしえの墳墓に住まうGありて夏至の夜更けに詠唱するとか





熾天使の如き姿のアレが来て「人生舐めてるだろう」と断ず





文明が爛熟すればGが増え崩れ去ってもGは増え行く





人類が野生を捨てた旅路にはアレらも背中に貼りついて来た






踏んづけてやりたいものはアレでなく何も成し得ぬ今夜の自分