2019年11月11日月曜日

赤ちゃんの泣き声で、自閉症の早期発見ができるようになる?





赤ちゃんの泣き声を分析するアプリによって、自閉症の早期発見が可能になるかもしれないという、とても興味深い記事を読みました。


精度90%で「泣き声の意味」を当てる (2018年6月10日)
https://tabi-labo.com/288382/journey-chatter-baby


記事URLが変更になったり、消えてしまうことがあるかもしれないので(そういうことが、よくあります…)、一部引用しておきます。



「ChatterBaby」は、アメリカのUCLAで研究しているブレーンたちの知識がいっぱい詰まった、赤ちゃんの泣き声を“翻訳”してくれるアプリだ。精度は約90%を誇る。 
だけど、泣き声の意味を当てるだけが「ChatterBaby」の特徴じゃない。赤ちゃんが抱えている脳の異常を見つけられる可能性だってある。 
もともとは、耳の聞こえない親をサポートするためにアプリは開発された。 
ワクチンを接種したときやピアスホールを開けたとき(欧米っぽいのだが……)に、赤ちゃんの泣き声をサンプルとして集める。そして、子育て経験が豊富なお母さんに、どんな理由で泣いているのかを予測してもらう。同じような答えになったら、人工知能に学習させる。これらのステップを繰り返す。
分かるようになったのは3種類。「お腹が減っているとき」と「痛いとき」、「わめいているとき」だ。ちなみに、視覚的に分かるようにグラフでも表示される。 
現在、ユーザーが赤ちゃんの泣き声を分析したときは、その音声が研究材料の一部としてUCLAのサーバーに登録される。 
これは、泣くという行為がどのように成長に関係するのかを調べるためだという。また、泣き声を分析していけば自閉症の早期発見につながるのではないかという仮説も、膨大なデータを集める理由の1つになっている。 
使う人が多くなればなるほど、アプリの精度は上がっていくし、新たな発見のきっかけになるかもしれない。「ChatterBaby」は、日本でも無料でダウンロードできる。



「ChatterBaby」は、いまのところ、英語対応のみのようで、ユーザーの評価も少ないようです。


気になるのは、集積されていく膨大な量の音声データから、どのように発達障害の音声パターンを見分けるのかということです。

音声データを提供した赤ちゃんたちが、成長後に「自閉症と診断されたかどうか」というデータは、このアプリでは集められないと思うのですが、どうなのか。


APP STOREでは、「ChatterBaby」のデータ利用について、次のように説明されていました。


What happens to my data?
We store it for science on a server that is HIPAA-compliant, removing as much information as possible that links your data to you individually. We are interested in discovering whether abnormal vocalization patterns in infants can predict neurodevelopmental delays such as autism. Odds are, a human being will never actually hear your baby’s audio sample; a computer script will run some math on it and throw the answers in a big spreadsheet to do even more math. For more information, see the Consent Form you agreed to when launching the app: link to consent.


データはどうなりますか?科学用の、HIPAA準拠したサーバーに保存し、データを個別にリンクする情報を可能な限り削除します。乳児の異常な発声パターンが自閉症などの神経発達遅延を予測できるかどうかを発見することに興味があります。人間が赤ちゃんのオーディオサンプルを実際に聞くことはありません。コンピュータスクリプトが計算を実行し、大きなスプレッドシートに回答を投げてさらに計算を行います。詳細については、アプリの起動時に同意した同意フォーム:同意へのリンクを参照してください。



この説明だけでは、詳しいことはわかりませんが、まずは正常な発声パターンと、そこからはずれた発生パターンをさぐっていく、というところでしょうか。


自閉症を含めた、発達障害の早期発見は、早期対応による治療・教育の効果など、子どもへの恩恵が大きければ、とても望ましいものとなりますが、見つかっただけで、後のケアにつながらなければ、親にとっては、微妙なものとなりそうです。


「アプリにそう言われたけれど、どうすればいいのか・・・」と、乳児の我が子を前にして、親が途方にくれるだけというのでは、早期発見などないほうがましということになりかねません。


早期発見だけではなく、脳神経のどの部分の発達に問題があるのか、それを少しでも改善するには、どうすればいいのか・・・というところまで、明らかになってくれるといいなと思います。