2017年12月28日木曜日

あだきち君とお絵かき・障害者のアートの世界


■あだきち君日記


今日は、あだきち君、年内最後の施設通所の日です。
明日から一週間ほど、冬休みになります。

年末は、とくに出かける予定もありませんので、自宅でゆっくり過ごすことになりそうです。

昨日は、施設でお絵かきの時間があったそうで、一枚持ち帰ってくれました。





もともと自由に絵を描くということが難しかったあだきち君は、小学校のころに、お絵かき歌のような決まった図形パターンをいくつか覚えたことで、お絵かき遊びが可能になりました。

そのため、何年たっても、ほとんど変わらない様式で、人物を描きます。

上の「男の子」のパターンを覚えたのは、小学生のときでした。

「男の子描いて」と言うと、必ずこの絵を描いてくれます。
ときどき、細かなアレンジが加わることがありますが、基本は変わりません。

おそらく、漢字を覚えるのと同じような気持ちで、「絵」を覚えているのだと思います。


■心引かれるアール・ブリュットの世界



最近、障害者の方々の手による、すばらしい絵画や造形作品を見る機会がありました。


第8回埼玉県障害者アート企画展
「うふっ埼玉でこんなのみつけちゃった♪」




既存の美術の価値観にとらわれることのない、アール・ブリュット、アウトサイダーアートの世界には、ほんとうに魅了されます。

アート企画展の障害者の方々の作品は、驚くほどのエネルギーがありました。


できることなら、あだきち君にも、そんな世界を楽しんでほしいと思うのですが…

画像よりも記号、絵よりも文字が大好きなあだきち君に、自由な描画の楽しさを伝えるにはどうしたらいいのか、見当もつきません。


もととも、自閉傾向の強いあだきち君は、ランダムな状態よりも、ルールの決まった、あるいは体系だった事物を好むようです。

けれども、そうした嗜好と、絵を描くことは、おそらく矛盾しないように思うのです。

展覧会では、決まったパターンを繰り返しながら大きなパワーを生み出していた作品もありました。

そういう方向で、あだきち君が楽しく制作できるよう、誘導できないか、考えてみようかなと思いました。