2002年6月19日水曜日
【過去日記】せがれいじりと、育児
※この日記は、すでに高校を卒業した息子が幼児だった頃、記録として書いていたものです。当時掲載していたホームページは、すでに閉鎖していますので、手直しして再掲載することにしました。(2016/04/16)
来週あたり、上の子が、ずっと前から楽しみにしているゲームソフトが発売される。
その名も
「続・せがれいじり 変珍たませがれ」
なんか、書くのが恥ずかしい名前であるが、内容も相当はずかしい。
言葉を組み合わせて文を作りながら、世界を完成させていくというものなのだが、その組み合わせる言葉というのが、
「いっぽんうんこ・うんめい」
とか、そういうのばっかりで、しかもいちいち、組み合わせた言葉を映像化して見せられるものだから、二重にバカらしい思いをさせられる。
上の子は、このゲームの前作を、徹底的にやり込んでいる。ゲーム本編を自力で何回もコンプリートしただけでなく、挿入されているミニゲームでも鍛錬を重ねてきた。だからもう、否応無しに、続編にも期待が高まっている。
正直、教育上よくない感じのゲームである。だったら買わなきゃいいようなもんなのだが、上の子(変なやつ)があんまり楽しみにしているので、うっかり購入を約束してしまった。
それに、私自身、なんとなく愛着も感じるのである。ゲームの主人公「せがれ」のからだつきが、どうも、うちの息子に似ているからだと思う。スリムな身体にだぶだぶしたTシャツを着て、半ズボンをはいて、ぱたぱたと「世間」を歩き回りながら、いろんなものをいじりまわすしぐさが、とても息子的なのだ。
ちなみに顔は似ていない、「せがれ」の顔は黄色い矢印だけで出来ているが、R太の顔には目も鼻もある。
「せがれいじり」の前作が出たころ、息子はまだ分厚い自閉の壁の向うにいた。
「世間」はおろか、自分の家族にも興味のない様子で、一日中、台所の隅っこでカンヅメを積み上げていた。
オモチャをいくら買ってやってもほとんど遊ばず、同じ年頃の子供たちのするようなイタズラも、まったくやらなかった。「世間」を駆け回っていじりまわし、言葉を駆使する「せがれ」の姿に息子を重ねながら、心のどこかで祈るような思いをしていたのかもしれない。あんなゲームにそういうシリアスな思いを重ねられるというのも異常な話かもしれないが、それだけ当時は追い詰められていたのであろう。
ともあれ、そのような思いが天に通じたのか何なのか、今の息子はとっても「せがれ」的である。イタズラはバリバリやる。ママとむすめさんが大好きなところも、息子そっくりである。