2003年12月4日木曜日

碁石(あだきち君…4歳   あねぞうさん…6歳)


 あだきち君が、立ったまま椅子に片足をひっかけて、実にきみょーな格好で静止しているので、なんだろうと思って近づいてみたら、「大」の気配が漂ってきた。

「ちょっと、でてるじゃないのよ! 教えなさいってば」

 と私がというと、

「でたー」

 と事後報告して、ニヤニヤしている。

 出たもんはしょーがないので、その場で全部ぬがせて、お始末にとりかかると、「大」のなかに、なにやら「大」以外のものが見えている。なんだろうと思って、そばにいたあねぞうさんと二人で、まじまじと観察した。直径1センチ弱の、黒くて、平べったくて、丸い物体。

「碁石じゃない、これ」
「うーむ。碁石だわ」

 おとーさん愛用の、ポータブル碁盤専用の、碁石であった。

 今日は午後から、お腹のレントゲンを撮る予定だった。碁石が出ないまま撮影していたら、怪しい影があるというので騒ぎになっていたかもしれない。

 偏食のくせに、石とか砂とか、紙切れとかボールペンのキャップとかは、平気で食べるのはなぜなのだろう。うまいのか?

 出た碁石は、いちおう消毒して保管してあるのだが、このまま碁笥に戻そうかどうしようか、迷っている。


(あだきち君…4歳   あねぞうさん…6歳)