介護施設で、「ムースーロー」というおかずが出たと、あだきち君が連絡帳に書いてきてくれました。
いつも、お昼をあまり食べないあだきち君が、その「ムースーロー」を、きれいに完食したと、職員さんからの連絡超に書いてありました。
どんなお料理か知らなかったので、検索をしてみたら、キクラゲと卵を使った中華風の炒め物とのこと。
動画もありました。
実は前の晩に、自宅でも、卵とキャベツのオイスターソース炒めを作ったばかりで、あだきち君に大好評でした。今日のお昼にいただいた「ムースーロー」、たぶん味は似ていただろうと思います。
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夜の九時過ぎに、あだきち君が、半目をあけて、iPadをいじっているので、
「ねむいんじゃない?」
と声をかけたら、
「ねむい」
と、自分でも言いうので、
「うん、ねむそうだよ」
といったら、
「おやすみ」
と言いました。
こうして書くと、会話のように見えますが……
最初の「ねむい」という返事は、私の「ねむいんじゃない?」という問いかけから、動詞を抜き取っただけの、一種のオウム返しのような印象です。あだきち君は、よくそういう答え方をするのですが、ほんとうに「ねむい」からそういっているのか、単に拾った言葉を返しているだけなのか、判別がつきません。
「買い物いく?」
「いく」
「ごはん食べる?」
「たべる」
「お茶飲む?」
「のむ」
こう返事をしていても、本心からの肯定はないことも多いのです。
また、最後の「おやすみ」も、時間帯が夜であることと、「ねむい」という言葉に関係の深いものとして、連想されたから、口に出た言葉だろうと思っています。実際「おやすみ」と言ったあとも、眠る様子はなく、そのまま遊び続けていました。
こういう「会話」めいたやりとりをしているときの、あだきち君の声は、一昔前の、ひらがなテキストを読みあげるAIみたいです。
いつか、ほんとうに言いたい言葉を選んで、会話を組み立てて、自然な感情を乗せた声で話せるようになってくれたらいいなと思いながら、毎日、いろいろなことを話しかけています。