2019年5月31日金曜日

今日のあだきち君



介護施設で、「ムースーロー」というおかずが出たと、あだきち君が連絡帳に書いてきてくれました。

いつも、お昼をあまり食べないあだきち君が、その「ムースーロー」を、きれいに完食したと、職員さんからの連絡超に書いてありました。


どんなお料理か知らなかったので、検索をしてみたら、キクラゲと卵を使った中華風の炒め物とのこと。


動画もありました。








実は前の晩に、自宅でも、卵とキャベツのオイスターソース炒めを作ったばかりで、あだきち君に大好評でした。今日のお昼にいただいた「ムースーロー」、たぶん味は似ていただろうと思います。



・・・・・


夜の九時過ぎに、あだきち君が、半目をあけて、iPadをいじっているので、


「ねむいんじゃない?」


と声をかけたら、


「ねむい」


と、自分でも言いうので、


「うん、ねむそうだよ」


といったら、


「おやすみ」


と言いました。


こうして書くと、会話のように見えますが……


最初の「ねむい」という返事は、私の「ねむいんじゃない?」という問いかけから、動詞を抜き取っただけの、一種のオウム返しのような印象です。あだきち君は、よくそういう答え方をするのですが、ほんとうに「ねむい」からそういっているのか、単に拾った言葉を返しているだけなのか、判別がつきません。


「買い物いく?」
「いく」
「ごはん食べる?」
「たべる」
「お茶飲む?」
「のむ」

こう返事をしていても、本心からの肯定はないことも多いのです。


また、最後の「おやすみ」も、時間帯が夜であることと、「ねむい」という言葉に関係の深いものとして、連想されたから、口に出た言葉だろうと思っています。実際「おやすみ」と言ったあとも、眠る様子はなく、そのまま遊び続けていました。


こういう「会話」めいたやりとりをしているときの、あだきち君の声は、一昔前の、ひらがなテキストを読みあげるAIみたいです。


いつか、ほんとうに言いたい言葉を選んで、会話を組み立てて、自然な感情を乗せた声で話せるようになってくれたらいいなと思いながら、毎日、いろいろなことを話しかけています。








2019年5月30日木曜日

日記


暑い日が続きます。


あだきち君、今日は、福祉サービスのおでかけで、盛りだくさんのレクレーションだったようです。

公園での、たっぷりの散歩、遊具での運動。

体育のあった学校時代と違って、どうしても運動不足になりがちの生活ですので、ありがたいと思います。


介護施設では、寝具運び、掃除などのお手伝いもあるようです。
力持ちなので、楽しんで働けているのではないかと思っています。


青空を見上げながら、満面の笑みをうかべてブランコを漕ぐ、大柄な青年。


あだきち君のほかにも、そういう人が、きっと日本のあちこちにいると思います。

みんな、地域に受け入れられて、すこやかに、穏やかに暮らしてほしいと、心から願っています。




2019年5月28日火曜日

今朝の日記


二年ほどサボッていましたが、日記、再開します。

あだきち君が特別支援学校を卒業して、三年ちょっとになります。

いまは毎日介護施設に通所して、行動援護サービスのお世話にもなりながら、穏やかに過ごしています。


穏やかすぎて、あまり特筆すべきこともない……というわけでもなく、やはり日々、いろいろなことが起きています。


でも、おおむね、「いい日常」だと思っています。



あだきち君の重度障害を疑ったのは、一歳半を過ぎたころでした。それからあっという間に、嵐のように、二十年が過ぎました。

親である私たちも、還暦がもうすぐそこまできています。

この先、どんなふうに暮らしていくのか、この穏やかな日々が、どこまで続いていくのか。


愛おしみながら、書いて残していければと思います。



今朝は、あだきち君はたぶん五時起き。私もそのぐらいに目が覚めました。

七時くらいに朝食をとって(トースト、小松菜の炒め物、ミニハンバーグ)、九時すぎに通所。

暑いので、半袖Tシャツで出かけました。

介護施設のバスを待っている間、ちょっとナーバスになったのか、目をパチパチさせたりしていました。

空は曇り気味で、午後から雨という予報。気圧や天気の変化に敏感な人なので、何か感じていたかもしれません。

バスがくると、さっと表情が明るくなって、元気に乗車。
先に乗っていた利用者さんたちも、ニコニコして迎えてくれました。